【購入時にもっとわかりやすく】ユーロNCAP新基準 運転支援システムの能力評価を開始 購入判断の材料にも
公開 : 2020.10.05 21:00
メーカーによる差が明確化
AUTOCARの英国編集部はサッチャムのテストコースで行われたデモセッションに参加し、テスト方法をいくつか試した。
エイブリーを助手席に乗せて、編集部はまずBMW 3シリーズ(最高評価の1つ)とテスラ・モデル3に乗った。両モデルは価格とサイズがほぼ同じであるにもかかわらず、システムの違いが明らかになった。
1つ目のテストは、ドライバーの入力なしで前方の静止しているクルマに反応しなければならないという従来の内容だった。どちらのシステムもうまく機能しており、特にテスラは事前に優しくブレーキをかけ、スムーズに停止した。
興味深いのは「ポットホール回避テスト」だ。簡単に言うと、車線内にコーンを設置し、レーンアシストとアダプティブ・クルーズ・コントロール機能を作動させた状態で、ドライバーが素早くコントロールを取り戻してコーンを回避しなければならないというものだ。
BMWは、時速80kmでシステムをオンにしてコーンに近づいても、システムがドライバーの入力に抵抗することなく簡単にステアリングを操ることができた。車線に戻ったときには、システムがすぐに再起動した。
しかし、テスラでは、システムで制御されたステアリングを操作するのに苦労した。警告が発せられたのち、クルマは完全に停止した。
この違いについて、エイブリーは次のように語っている。
「BMWのシステムは、ドライバーと対話するサポート・システムのように感じますが、テスラのシステムは、非常に有能であるにもかかわらず、ドライバーから操作するのを積極的に抑制しています」
「BMWは(ハンドルから手を離すと)すぐに注意を促し、ドライバーが何をすべきかを明確にしてくれます。テスラと違って、クルマがすべての操作を行っていて、自分が運転していないように感じるような状況は決してありません」
テスラのシステムが最高評価に上がらないもう1つの理由は、マーケティングそのものにある。
「オートパイロットという言葉の使用と、それに関連する一連の説明は、誤解を招くものだと考えています」
英国では10月から、ステアリング、スロットル、ブレーキアシストを特徴とするすべての新型車に、アシステッド・ドライビング・グレーディングが適用されることになる。
サッチャムとユーロNCAPは新評価基準の適用により、2021年に高速道路でのハンドオフ自動レーンキープシステムを合法化するという英国政府の意向に沿う考えだ。