【それでも魅力的】ホンダe試乗 航続距離300km未満、価格451万円~ 走りのEV、その評価は?
公開 : 2020.10.06 11:50 更新 : 2021.12.27 23:56
乗り心地/加速/高速性能
しかも、乗り心地もしなやか。
段差乗り越えなどの突き上げで多少の硬さや車軸まわりの振動を感じるものの、アドバンスが履く45扁平17インチ・タイヤを考慮すれば穏やか。
同サイズの2BOX車平均と照らし合わせても、ストローク感のある乗り心地である。
60扁平の16インチ・タイヤを履く標準車では、路面当たり感は穏やかになる。
高速直進の操舵感の据わりがあまくなるのだが、不安感もなく、ハンドリングのRR感覚はより強化される。ホイール周りのルックスに拘らなければ標準車は狙い目である。
「一気呵成の加速力!」が、動力性能で最も印象に残った部分。
113kW(アドバンス)のパワーを内燃機MT車の1速相当のギア比で駆動。
しかも、実質タイムラグ無しで反応する電動である。速くて当然だが、力も御せなくては粗暴に陥る。
ホンダeの巧みさは電動を御す手綱捌きにある。
緩やかなアクセル操作では滑らかに連続的な加減速を、素早く深く踏み込めば間髪入れずのダッシュ力をもたらす。
ペダルストローク量に対する加減速反応が異なるが、走行モードを変えても同様の印象。
しかも高速域でも加速のダレが少ない。
アドバンスと標準車
100km/h以下なら俊足も悠々も翳り無し。ちなみに設計上の最高速度は145km/hに設定されているが、ハード面の限界ではなく、効率と実用性能による制限。
145km/hは最高速度であると同時に、巡航速度の上限でもある。
パワートレインのオマケ的機能だが、アクセルオフ回生を強化する1ペダルドライブにも対応。
停車までサポートすることを除けばエンブレモードと大差なく、またフットブレーキに回生油圧協調制御を採用するので、ペダル踏み替えを減らす程度の効果しかないが、減速時にダウンシフトを多用するドライバーには、これもファントゥドライブの要素の1つとなるだろう。
なお、標準車の最高出力はアドバンスより13kW低い100kWとなるが、ダッシュを利かせた時や高速加速性能が大半。
感覚的には、加速性能低下というより急加速時の特性がマイルドになったくらい。
ホンダe相対では穏やか志向でも、コンパクトカーとしては頗るパワフルなのは言うまでもない。
気になる5連ディスプレイは?
左右両端にサイドビュー、舵輪奧にはメーターパネル、中央から助手席前には横並びに2つのモニター。
インパネを横断するように液晶モニターを設ける。画像モニターによるTPOに応じた多重表示は、グラス・コクピットそのもの。IT時代を直感させるインパネだ。
ただし、機能的というよりも未来感の演出という印象が強い。表示機能でとくに目新しいものはない。
走行中はナビ以外の動画表示不可などの規制も影響しているが、会話型ボイスコマンドなども含めて他社の車載IT系同様に模索中の感は否めない。
また、助手席前モニターの視認性も今ひとつ。視認性では中央配置縦長大画面タイプに分がある。