【定評を継げるのか】フォルクスワーゲン・ゴルフGTIへ英国試乗 レシピが違う8代目 後編

公開 : 2020.10.10 15:20

44年目のゴルフGTIらしくはない

だが、筆者が期待する最新のゴルフGTIではなかった。

間違いなく活発に良く走る。グリップに優れ、小気味よくコーナーを曲がる。しかし、それは従来のゴルフGTIでも変わりない。それ以上の熟成度と大人な質感が、8代目にはないように思う。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI(欧州仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフGTI(欧州仕様)

新しいゴルフGTIは、装備に不足はなく、上品で、日常的に乗りやすいドライバーズカーではある。タッチセンサー式の操作系やモニター式のメーターパネル、運転支援システムなども装備し、技術でも前衛的なモデルに仕上がっている。

実用性も今までどおり。フォルクスワーゲンの伝統だった知覚品質は、従来より劣るかもしれない。しかし、ライバルモデルとの位置関係を入れ替えるほど、悪くなってはいないと思う。

しかし8代目フォルクスワーゲン・ゴルフGTIは、必要以上と思えるほどに、硬く機敏で、活発になった。筆者は、最新のGTIとして、違う明確な性格付けがあってもいいと思ってしまう。

速く鋭い、現代のホットハッチではある。だが独自のアイデンティティを構築した、44年目のゴルフGTIらしいとは感じられない。

間違いなく、新しく生まれ変わってはいる。でも筆者が慣れるまでには、もう少しの時間が必要そうだ。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI(欧州仕様)のスペック

価格:3万3460ポンド(448万円)
全長:4284mm
全幅:1789mm
全高:1456mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:6.3秒
燃費:13.0-13.5km/L
CO2排出量:169-174g/km
乾燥重量:1448kg
パワートレイン:直列4気筒1984ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:245ps/5000-6500rpm
最大トルク:37.6kg-m/1600-4300rpm
ギアボックス:6速マニュアル

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事