【意外なコラボ作品】ベルトーネxダイハツ いすゞxジウジアーロxロータス ほか 前編

公開 : 2020.10.18 07:20  更新 : 2022.08.08 07:36

マセラティクアトロポルテII

初代マセラティ・クアトロポルテは、高級サルーンの雛形を作り出した。野性的な美しさを備えるボディに、V8エンジンで後輪を駆動。1961年に登場し、シトロエンがマセラティを買収するまで生産された。

イタリア・ブランドを買収したシトロエンは、V6エンジンのSMをマセラティと開発。その裏で別のモデル開発も進め、クアトロポルテIIとして実を結ぶ。

マセラティ・クアトロポルテII
マセラティ・クアトロポルテII

1974年のパリ・モーターショーで発表されると、多くの自動車愛好家たちの話題を集めた。遅いマセラティという、悪い意味で。

マルチェロ・ガンディーニがデザインしたボディには、シトロエンSM用プラットフォームの延長版が隠されている。エンジンもSMと同じ2.7LのV6で、前輪を駆動。シトロエン流のハイドロ・ニューマチック・サスペンションと、ブレーキも採用していた。

高級サルーンの雛形は、大きく書き換えられていた。しかも購入する機会も、ほとんど与えられなかった。

シトロエンは深刻な財政状況にあり、クアトロポルテIIの型式認定を欧州で取得する余裕すらなかった。その結果、すべて中東地域へ輸出された。魅力に欠け、販売できる地域も限られるモデルに、マセラティは多額の投資を求められた。

その後、マセラティはアレッサンドロ・デ・トマソがオーナーとなり、クアトロポルテIIの販売は終了。V8エンジンで後輪駆動のサルーン、クアトロポルテIIIが登場する。

マニアな小ネタ

シトロエンSMのブレーキはボタン式のペダルで操作するが、クアトロポルテIIには一般的なペダルが付いていた。しかし、踏んだときのストローク量は極めて短い。

シボレーコルベットZR-1(C4)

コルベットといえば、アメリカ製のスポーツカー。プッシュロッドの大きなV8エンジンを想像するだろう。4バルブ・ヘッドを備える、高回転型ユニットというイメージは薄いと思う。特に英国ヘセルを拠点とする、ロータスとの結びつきは。

かつて、GMがロータスを所有していた時期があった。その頃、シボレーはコルベットZR-1の開発を進めていた。この状況なら、フラッグシップとして32バルブ・クワッドカムのV8エンジン開発にロータスが関わることは、理にかなっている。

シボレー・コルベットZR-1(C4)
シボレー・コルベットZR-1(C4)

ロータスの息がかかったV8エンジンは、390psを発生。後に410psまで引き上げられた。製造を請け負ったのは、マーキュリー・マリーン社だった。

ハイパワーに対応するべく、1990年式のC4 ZR-1には、幅315という極太のリアタイヤを装備。ボディ幅は75mm広げられ、ビルシュタイン製の調整式ダンバーを獲得している。ダンパーは車内から12段階に減衰力を調整できた。当時としては新しいシステムだった。

ZR-1には、通常のグレードとは異なる四角いテールライトが与えられた。しかし、程なくして通常のコルベットにも展開され、ZR-1の見た目の特別感は薄くなった。

C4型コルベットZR-1を、自動車メディアは称賛。ところが高すぎる価格で、多くのユーザーを獲得するには至らなかった。話題の割に人気は伸びず、1995年にZR-1は幕を閉じてしまう。

マニアな小ネタ

C4のコルベットには、6速マニュアルにCAGSと呼ばれる電子システムが採用されている。コンピューター・エイデッド・ギアセレクションの略。低回転域では、1速から4速へシフトアップさせ、トランスミッションへの負荷を減らしている。

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