【紳士の王道SUV】ランドローバー・ディスカバリー3 英国版中古車ガイド
公開 : 2020.10.07 11:50 更新 : 2021.07.12 18:45
不具合を起こしやすいポイント
エンジン
前のオーナーが1万5000マイル(2万4140km)ごとのメンテナンス・スケジュールを遵守し、タイミングベルトも10万5000マイル(16万8980km)または7年ごとに交換しているかを確認しよう。
新車時に問題となったフライホイールやクラッチはすでに交換されているはずだが、TDV6の2つのEGRバルブは時限爆弾なので交換が必要だ。
電気系統
見た目がきれいでも、電気系統の不具合がたくさん潜んでいる。
まず、テールゲートを含むすべてのドアで、ロックおよびロック解除が正常に動作するか要確認だ。ラッチが故障している場合がある。
配線ループへの水の浸入やECUの故障も深刻だが、典型的な弱点はエアコンのコンプレッサー、インフォテインメント・システム、クランクシャフトの位置センサーだ。
トランスミッション
マニュアル車でクラッチがスリップするとギアセンサーが混乱し、パーキングセンサー、ギアインジケーター・ディスプレイ、リバース・ライトの故障につながる。
ATの場合はフルード洗浄で治ることが多いが、熱交換器の故障によりトランスミッション自体にクーラントが流れ込んでいないかどうかもチェックしよう。
ブレーキ
パーキングブレーキに注意。
ドラムに汚れがたまり、ロックの原因となることがある。センターコンソールには手動の解除ケーブルがあるが、適切に固定するにはアクチュエーターを外さなければならない。
サーボにオイルが入っているとブレーキ性能に悪影響を及ぼすことがあるので、試乗の際には必ずペダルを踏み込んでみることが大切だ。
サスペンション
下向きの矢印が付いたクルマを示す黄色の警告灯は、エアサスペンション・システムのトラブルのサインであり、多くの場合、車高の調整ができないことを知らせるメッセージが表示される。
コンプレッサーポンプ、車高センサー、バルブ、リザーバーは入手可能だが、安くはない。これらが故障していない場合は、エアショックに原因がある可能性が高く、ユニット全体を交換する必要がある。
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アンガス・リート AHLエンジニアリング
「安い車ではありません。維持するためには、年間1000ポンド(13万円)ほどかかります。ディスカバリー3は製造から10年~15年経っているので、メンテナンス履歴なしで購入することはおすすめしません」
「下手をすると、最初の1年で1万ポンド(132万円)を費やすことになりかねませんから。私たちが所有する1台は走行距離31万3800kmで、ほかに25万7500kmのものもありますが、どちらも元気に動いています」