【突如出現】左ハンドルのトヨタ・アルファード、中古車サイトに どこから来た? 意外な人気の理由は
公開 : 2020.10.08 07:40 更新 : 2022.03.25 18:51
ロシア仕様と日本仕様、違いはどこ?
――ロシア仕様ということですが、日本仕様と違うところは?
「グレードも最高級のエグゼクティブラウンジで、仕様もほとんど同じです」
「違うのはホイールのカラーがロシア仕様はゴールドになっていることですね。見た目の大きな違いはこれくらいです」
――販売を初めてみていかがですか?
「多くの問い合わせをいただいていて、反響のすごさに驚いています」
「関東がダントツに多いですね。東京、横浜、千葉など。また、九州にある高級車専門のレンタカー会社などからも問い合わせがありました」
「お客様の送迎用に使いたいというお話もいただいています」
「また中国で大変人気があるクルマなので、中国の自動車販売業者さんからもご相談をいただいています」
――日本で乗るうえでの保証はどうなっていますか?
「アルファードは海外での生産はなく、すべて日本で製造されています。しかし、今回の左ハンドル・アルファードは海外に輸出されたクルマです」
「したがってトヨタ車であっても並行輸入車と同じ扱いになるのでトヨタ自動車の新車保証はつきません」
「また、整備に出す場合も、購入された販売店での対応となります」
「当社で販売する車両に関しては12か月走行距離無制限で保証を付けています。さらにオプションで3年間の保証も付けることも可能です」
新車装着のタイヤ 実は銘柄が異なる
ちなみに、新車装着時のタイヤも実は銘柄が異なっている。
日本向けのトーヨータイヤはミニバン専用タイヤでおなじみの「トランパスR30」だが、ロシア仕様は「プロクセスR30」を履く。
この違いはどういう理由かを製造元のTOYO TIRE株式会社に聞いた。
「採用に至った経緯はOEM側の情報につき、当社からの回答は差し控えさせてください」
「トランパスR30とプロクセスR30は名称の違いだけではございません」
「スペックの違いに関する情報について開示することはできませんが、新車用、補修用ともに対象となる車種、使用環境、求められる性能を考慮して開発をおこなっています」
との回答だった。
アルファード逆輸入 検査はスムーズ
ところで、日本で生産されたクルマであっても海外に輸出されたのちに日本へ逆輸入して登録(=ナンバーをつける)する場合は、新車並行(輸入)車と同じ手続きとなる。
つまり、排ガス検査をはじめ、日本の保安基準に適合しているかどうかの確認作業も非常に多くの項目が検査対象となる。
しかし、これら煩雑な保安基準適合の審査もアメリカや欧州、オーストラリア、韓国などいわゆる「58協定(98協定)」のメンバー国であれば、あまり時間や手間をかけることなく審査をパスできる。
58協定とは1958年に締結された国連欧州経済委員会(ECE)の多国間協定「車両等の型式認定相互承認協定」のことである。
日本は1998年に加盟しており、以降、ECE規則を国内向け車両に順次採用し、加盟国との間でそれら規則の相互認証が実現している状況だ。
今回の左ハンドル・アルファードは58協定加盟国のロシアで販売されたクルマゆえに、日本で登録するための審査が比較的スムーズだったというわけだ。