【モデル最速のRが登場】フォルクスワーゲン・ティグアンRへ試乗 320ps獲得
公開 : 2020.10.15 10:20
走りはコンパクトSUV基準で称賛に値する
それでも、0-100km/h加速は4.9秒と充分に瞬足。クラスをリードする数字ではないが、流れの少ない裏道に出れば、爽快なスピードを与えてくれる。
エグゾーストノートは、サウンドジェネレーターを介して車内に届く。コンフォート・モードでも、ほど良い荒々しさを楽しめる。レース・モードは少々やりすぎ。アクセルペダルを戻すたびに、派手な破裂音を毎回たてる。
一新された四輪駆動システムの4モーションは、見事なトラクションとグリップを披露。トルクベクタリング機能は、コーナリング中の外側のリアタイヤへ、最大で100%のトルクを伝えることを可能としている。
その結果、標準のティグアンをはるかに超える、コーナリング時の落ち着きとバランスを叶えている。
可変レシオのステアリングの正確性も、突出したレベル。車高を落とし、レートの高いサスペンション・スプリングとダンパーを獲得し、姿勢制御も称賛に値する。
コンパクトな高性能SUVの基準で見て、流れるような操縦性には、深く感心するほど。ドライバーが得られるフィードバックは、やや不足気味だけれど。
乗り心地も突出して良い。アダプティブ・ダンパーは、コンフォート・モードを選べば優れた姿勢制御を維持したまま、充分許容できる乗り心地を提供してくれた。試乗車のホイールは、オプションの21インチだったにも関わらず。
ライバルと充分に競い合える
スポーツやレース・モードを選べば、大幅にスポーティさを高められる。この扁平タイヤではアスファルト以外の路面を走る可能性は低いと思うが、オフロードやスノー、オフロード・エキスパートというドライブ・モードも用意されている。
フォルクスワーゲン・ティグアンRの英国価格は、まだ未定。先代の2.0TSIの価格から考えるに、4万4000ポンド(589万円)位にはなるだろう。
この高めの価格帯では、競争も激しい。アウディSQ2やBMW X2 M35iといったライバルが居並ぶ。しかしフォルクスワーゲン・ティグアンRの走りは、充分に競い合える水準にあると感じた。
Rの付いたティグアン。もっと早めの登場でも、良かったのではないだろうか。
フォルクスワーゲン・ティグアンR(欧州仕様)のスペック
価格:4万4000ポンド(589万円)
全長:4509mm(標準ティグアン)
全幅:1839mm(標準ティグアン)
全高:1675mm(標準ティグアン)
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:4.9秒
燃費:−
CO2排出量:−
乾燥重量:1746kg
パワートレイン:直列4気筒1984ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:320ps/5500rpm
最大トルク:42.7kg-m/1200-5200rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック