【ライバルPHEV以上の魅力】ジープ・レネゲード4xe トレイルホークへ試乗 前編
公開 : 2020.10.17 10:20 更新 : 2021.07.27 14:51
車内は狭めながら個性的なルックス
トレイルホークでは車高が高くなり、オフロードの走破性が引き上げられる。それに合わせて、アンダーボディにはスキッドプレートを追加。タイヤは17インチの、グッドイヤー製のマッド&スノー・パターンだ。
レネゲードはクルマとして所有したくなる、特別な魅力を感じさせる。このレネゲード4xe トレイルホークの場合、英国価格は3万6500ポンド(489万円)にもなるから、特に惹きつける力が必要となる。
ルックスは大胆で陽気。好みによるとは思うが、その個性に強い好意を抱く人もいるだろう。一方でより実用性に優れ、組み立て品質も良く、興味を惹かれるSUVが同価格帯にはほかにも存在する。
インテリアデザインは単調。素材の面では、知覚品質が良いともいえない。光沢のある安っぽいプラスティックがステアリングコラムに用いられ、それ以外の場所にも、あちこちに使用されている。
内装の質感でも、もっと高いライバルが存在する。ただし、ジープ・ファンなら、いつもの雰囲気に感じるとは思う。
トレイルホークに装備されるフロントシートは、横方向のサポートが不足気味ながら快適。数時間の運転でも、充分心地よく座っていられた。
リアシートは、大人2人が座るのにはちょうど、といった広さ。同クラスのクロスオーバーと比べれば、狭い方に入る。
荷室の容量は、クラス水準で見ると小さい。プラグイン・ハイブリッド化により、4xeではさらに削られている。12Vの車両用バッテリーを、後ろに搭載するためだ。
シンプルに運転できるPHEV
プラグイン・ハイブリッドという複雑なシステムを搭載するものの、運転自体はとてもシンプル。レネゲード4xeをスタートさせると、デフォルトでハイブリッド・モードが選ばれる。
主に市街地での速度域では、電気モーターが主役を担う。11.4kWhのバッテリーに電気が蓄えられている限り。
アクセルペダルを半分以上踏み込むと、ガソリンエンジンが起動。より活発にレネゲード4xeを走らせてくれる。ほかに、バッテリーセーブとバッテリーチャージ、エレクトリックというモードが選べる。
ハイブリッド・モードで走らせていると、ガソリンエンジンはとても滑らかに、始動と停止を繰り返す。ただし、パワフルな加速を引き出したい時には、やや騒々しいサウンドをたててしまう。回転数が高まっても、聞いていて楽しい音質でもない。
トランスミッションのギア比は、ショート気味。オフロード性能に貢献する部分だからだろう。エンジンを頻繁に始動させると、燃費は10km/L台前半に留まってしまう。活発な加速は、程々にしておいた方が良い。
PHEVで効率を狙いたい人にとっては、少し期待はずれの燃費かもしれない。
この続きは後編にて。