シームレスで静かで、滑るように走る

運転姿勢は、典型的なフォルクスワーゲン。ドライビング体験も、純EVだと感じる瞬間があるものの、ブランドのイメージ通り。興味深い設計が施されつつ、不自然に感じることは少ない。

メーター用のモニターは、普通に見やすい。ステアリングフィールは、セルフセンタリングが弱いように感じるが、滑らかでリニアだ。

全体的な運転の印象も、純EVらしくシームレスで静か。本当に滑るように走る。車重が1794kgもあることを、感じさせない。

乗り心地は、ライバルモデルと比較してみたいところ。少なくとも19インチのホイールを履いていても、充分評価できるものだと思う。

回生ブレーキの強さの調整は、アウディeトロンのようにシフトレバーではなく、パドルで操作する方が筆者好み。車線維持支援システムは動きがぎこちないながら、デフォルトでオン。オフにする作業は、不必要に面倒だと思う。

全体として、フォルクスワーゲンID.3は良くできたクルマだと思う。運転は楽しいし、競争力も高い。フォード・フォーカスのように、従来的なドライバーズ・ハッチバックではない。だが、別の運転する喜びがある。

フォルクスワーゲンというブランドだけに、注目度は高い。だが、競争を塗り替える存在になり得るかには、疑問が残る。日産リーフの男性は、まだ乗り換えない方が良いかもしれない。比較テストで確かめたいところだ。

フォルクスワーゲンID.3 ファースト・エディション・プロ・パワー（英国仕様）のスペック

価格：3万5215ポンド（475万円／英国政府補助金適用後）
全長：4261mm
全幅：1809mm
全高：1568mm
最高速度：159km/h
0-100km/h加速：7.3秒
航続距離：418km
CO2排出量：−
乾燥重量：1794kg
パワートレイン：AC同期誘導モーター
バッテリー：58.0kWh
最高出力：203ps
最大トルク：30.3kg-m
ギアボックス：−

画像　ID.3　国産EV　リーフ, e, MX-30　全110枚