【知床をクラシックカーで】トロフェオ・タツィオ・ヌヴォラーリ、万全の感染対策で開催
公開 : 2020.10.15 11:54 更新 : 2021.10.11 09:37
恒例のトロフェオ・タツィオ・ヌヴォラーリはコロナ禍の影響で延期になっていましたが、万全の感染対策を施して開催されました。今年は道東を巡る1100kmものハードなラリーで、古今東西のクラシックカーが挑みました。
ヌヴォラーリを称えるクラシックカー・ラリー
photo:Asuka Igarashi(五十嵐飛鳥)
レース好きでアルファ・ロメオやフェラーリの歴史を紐解いた方にとって、永遠のヒーローとして崇められているドライバーがタツィオ・ヌヴォラーリだ。
エンツォ・フェラーリに認められ戦前のスクーデリア・フェラーリではアルファ・ロメオを駆って大活躍し、戦後も輝かしい戦歴を残した。今では当たり前になったドリフト走行を編み出し、常に全力でサーキットを駆け抜けることから、親しみを込めて「空飛ぶマントヴァ人」と呼ばれた。
ヌヴォラーリの功績を讃えてイタリアで活動するのがグランプレミオ・タツィオ・ヌヴォラーリを統括するマントヴァ・コルセとACIマントヴァだ。両グループ公認のクラブとして日本で活動するのが、スクーデリア・タツィオ・ヌヴォラーリ・アジア(STNA)である。
そのSTNAが日本で開くクラシックカー・ラリーが、トロフェオ・タツィオ・ヌヴォラーリ(TTN)だ。雄大な北海道を舞台に2000年から行われているもので、今年は20回記念大会として盛大に開かれる予定だった。
万全の感染対策を施して開催に
しかし新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、7月に予定されていた20回記念大会は延期になってしまう。その後、感染の拡大が一段落したことから、検温や消毒、参加者同士のソーシャル・ディスタンスを確保することで、3か月遅れでの開催が決定された。
密になるランチは弁当に、ナイトパーティは中止となるなど参加者には寂しいが、TTNの灯を絶やさぬことを優先して、万全の感染対策を施して開催にこぎつけた。
このような対策を施すとともに、これまでより規模を縮小して特別大会の「2020トロフェオ・タツィオ・ヌヴォラーリ・ツアー・アドベントゥーラ」として10月2〜4日に開かれることとなった。
なお20回記念大会は次回に持ち越され、新型コロナウイルス感染症が終息すれば2021年にこれまで以上の規模での開催が予定されているという。
バラエティに富んだモデルが参加
今回は規模を縮小したこともあり参加は10台に留まったが、1923年フォード・モデルT、そして1935年ベントレー3.5Lという2台の戦前車が本州からやって来た。
TTNらしくアルファ・ロメオは1967年ジュリアSSと1967年スパイダー・デュエットが姿を見せ、ランチア・フルヴィア・スポルト・ザガート、1968年フィアット・アバルトOT1300/124といったマニアックなイタリア車が集結した。
このほか1959年トライアンフTR2、1968年ポルシェ912に加え1969年マツダ・コスモ・スポーツと1967年ホンダS800クーペという日本車も加わるなど、バラエティに富んだモデルが集まった。
また3日目のトンデンファームには、1デイでの参加車が合流した。その顔触れは1984年ランボルギーニ・カウンタック、1966年フィアット・ジャンニーニ590GTコルサ、1970年シトロエンDS21、1978年ロータス・エスプリS2、1989年ユーノス・ロードスターというマニアックな5台。
ツアーのフィナーレとなる江別でのフィニッシュ・シーンを盛り上げてくれた。