【400万円台で選べる】ボルボXC40 B4モメンタム試乗 48VハイブリッドのコンパクトSUV、評価は?

公開 : 2020.10.21 17:50  更新 : 2021.10.11 09:12

内装/トランク/サイズの評価

この197psのエンジンをアシストするのは、わずかに14ps/4.1kg-mの最高出力&最大トルクを発揮するのみのエレクトリック・モーター。

ただしそのアシストは瞬時に入るため、数字以上の効果が体感できる。

先進安全運転支援の全車標準、メーカー保証5年に加えて、使い勝手のいいトランク/後席のアレンジもセールスポイント。
先進安全運転支援の全車標準、メーカー保証5年に加えて、使い勝手のいいトランク/後席のアレンジもセールスポイント。    池之平昌信

SUVとしての使い勝手も十分に魅力的だ。

エステート=ワゴンを主力商品としてきた時代から、荷室の使い勝手に関してはさまざまな創意工夫をしてきたボルボだけのことはあり、荷物の量やカタチによって、後席をアレンジすることで、多彩な形状の荷室を作ることができる。

コクピットまわりのデザインも、競合する他ブランドのそれとは雰囲気が異なり、落ち着いた機能的なデザインにまとめられている。

センターコンソールの最上部にあるモニターは、使い慣れるまでにはかなりの時間が必要だが、スマートフォンなどの使い勝手に慣れた若年層には、直感的に操作できるこのデザインは、逆に魅力的に感じるものなのだという。

全長×全幅×全高で4425×1875×1660mm(最低地上高210mm)。ホイールベースは2700mmというサイズは、日本の都市部でも大きな負担になることはないだろう。むしろ前で触れたSUVとしての機能性がきちんと備えられていることを考えれば、これは日本にはジャストサイズともいえる。

どんな感じ?

このようなさまざまな期待感を持って、ボルボXC40 B4モメンタムのステアリングを握った。

まず好印象を抱いたのは、あるべきところに必要なスイッチがあるという、優れた機能性、操作性で、前後左右の視界もボディデザイン、とりわけリアクオーター・ウインドウのデザインから想像する以上に開けている。

ボルボXC40 B4モメンタムの前席内装。ファブリックシートとブラックのルーフを組み合わせた新内装が2021年モデルに設定されている。
ボルボXC40 B4モメンタムの前席内装。ファブリックシートとブラックのルーフを組み合わせた新内装が2021年モデルに設定されている。    池之平昌信

シートは最初のタッチはやや硬めだが、サイズは十分に大きく、走りを続ける中で徐々に自分の体形にマッチしてくる。

長時間のドライブを続けても、不思議なことに疲れというものを感じさせないのだ。

エンジンを始動してさっそく試乗に向かう。

この始動のプロセスでも48Vハイブリッド・システムは、スターターとして使用されているはずだが、その存在を一切感じさせないのは素晴らしい。

足さばきは“しなやか”

ただし試乗中のアイドリング・ストップ時からの再始動では、ややそれを理由とするショックは大きく、改善を期待したいところ。

回生時のブレーキフィールにも、もう一歩のナチュラルさが欲しい。今後はこのあたりの問題をいかに解決してくるのかが、各社共通の課題となるのだろう。

トランスミッションは、アイシンAW製の8速オートマティック。同じXC40でもリチャージ・プラグインハイブリッドT5は7速DCTを採用する。
トランスミッションは、アイシンAW製の8速オートマティック。同じXC40でもリチャージ・プラグインハイブリッドT5は7速DCTを採用する。    池之平昌信

実際の加速は、1670kgのウエイトと、197psの最高出力を考えれば十分に魅力的なものではないか。

今回は比べることはできなかったが、同じB4の4WDモデルと比較しても、軽快さは当然このFWDモデルの方が勝る。

ハンドリングも実に軽快だ。

一般道ではフラットな姿勢を崩さないB4だが、ワインディングに入っても、しなやかなフットワークが見事にコーナーをクリアさせていく。

記事に関わった人々

  • 山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。

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