柔らかめの足回りで市街地は快適

従来のハイブリッド版UXと比較して、バッテリーの搭載で増えた重量に対応するため、シャシーには補強ブレースが追加されている。また変化した前後の重量配分に合わせて、ダンパーの設定も見直された。

しかしレクサスUXが、スポーティなクロスオーバーになったわけではない。ステアリングの操舵感は正確なものの、手のひらへの感触は乏しい。ブレーキペダルも、しっかりしたタッチではない。

コーナリングは充分鋭く感じられるが、タイトコーナーでのボディロールは大きめ。タイヤのスキール音も大きい。

総じて柔らかめの足回りだといえる。それだけに、市街地での乗り心地は充分に評価できる。

キアeニロからモデル3まで、より手頃で広い車内を備えるライバルEVは存在する。リアシートに乗せる家族がいるのなら、無視できない事実だと思う。

しかも航続距離はUX 300eより長く、インフォテインメント・システムの完成度も高い。モデル3なら、テスラが普及に努めたスーパーチャージャー・ネットワークを利用することも、英国なら可能だ。

とはいえ、都市部に住むオーナーが、コンパクト・クロスオーバーを探していて、純EVを考えているなら、レクサスUX 300eは有力な選択肢になるだろう。装備は充実している方だし、レクサスとしての高い信頼性も担保されている。それに英国でも、リセールバリューは高い。

レクサスUX 300e タクミ（欧州仕様）のスペック

価格：4万900ポンド（552万円・英国政府補助金適用後）
全長：4640mm
全幅：1845mm
全高：1645mm
最高速度：160km/h
0-100km/h加速：7.5秒
航続距離：315km
CO2排出量：−
乾燥重量：1785kg
パワートレイン：非同期永久磁石モーター
バッテリー：54.3kWh
最高出力：203ps
最大トルク：30.4kg-m
ギアボックス：−

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