【詳細データテスト】ホンダ・ジャズ(フィット) 抜きんでた広さの車内 燃費/洗練性に優れたドライブトレイン クルマ好きには訴えかけず
公開 : 2020.10.17 11:50 更新 : 2020.10.17 12:02
内装 ★★★★★★★★★☆
ヴィジュアル面のアピールという点では、あまり多くの点を与えられない。もっと派手でカラフルなインテリアのライバルたちに比べると、このクルマのキャビンはかなりプレーンで、やや退屈に感じられる。
ダークな色合いのソフトタッチな表面処理は、精彩を欠いたモノクロな雰囲気を醸している。グレーのファブリックシート表皮、シフトセレクター周りやステアリングホイール、ドリンクホルダーの白いパネルも同様だ。
もっとも、ヴィジュアル的には短調だが、造りはよく、使いやすさはすぐに実感できる。手に触れる機会の多い走行モードセレクターやエアコン操作パネル、9.0インチのインフォテインメントディスプレイに設置されたボタンなどは手が届きやすい。ソリッドで壊れにくそうなタッチにも満足感がある。
そして、このジャズの真骨頂は、インテリアのフレキシブルさにこそある。リアのマジックシートは、アレンジ性にも優れるが、上級セダンでさえ及ばないものがある760mmのレッグルームと、このクラスとしては悪くない910mmのヘッドルームももたらしてくれる。
304Lの荷室容量は、クラストップとはいかないまでも、なかなかの大きさ。しかし、収納に関してはこの数字がすべてではない。後席フォールドでは、フロアが完全にフラットになり、ウインドウ下までで844L、天井までなら1205Lの最大容積を実現する。
また、左右独立のクッション跳ね上げ機構も装備。後席スペースを第2の荷室として使うことが可能になり、キャビンのフロアから天井までの高さを利して、背の高い植木や、かさばる子供用自転車などを積み込むことができる。
こうしたもろもろを踏まえれば、ジャズはクラス最高の実用性を備えるクルマ以外のなにものでもないといっていいのではないだろうか。