【変わった?】アウディQ3/Q3スポーツバック2020年型 ガソリンとディーゼル FFと4WD ベストは?

公開 : 2020.10.19 05:50  更新 : 2021.10.09 22:34

アウディQ3/アウディQ3スポーツバック2020年型の試乗記です。ガソリン=35 TFSIとディーゼル=35 TDIを乗り比べます。またFFと4WD(クワトロ)、17インチと19インチの違いまで確かめます。

日本では同時デビューとQ3とQ3 SB

photo:Toshikazu Moriyama(森山俊一)

アウディのミドルクラスSUVであるQ3がフルモデルチェンジされ、その4ドア・クーペ版ともいうべきQ3スポーツバックとともに、本邦デビューを果たした。

ヨーロッパではQ3が2018年の7月、一方スポーツバックは2019年7月に発表されているが、日本導入は昨今の社会情勢を考えて少し遅らせたようだ。

アウディQ3スポーツバック(手前)/Q3(奥)。グレードはQ3スポーツバックが「35 TDIクワトロSライン」/Q3が「35 TFSIアドバンスト」
アウディQ3スポーツバック(手前)/Q3(奥)。グレードはQ3スポーツバックが「35 TDIクワトロSライン」/Q3が「35 TFSIアドバンスト」    森山俊一

全長ほぼ4.5mで比較的コンパクト(セグメントはC)といえるアウディQ3。初代のQ3は2011年の登場。これはBMWのX3やX1のようなライバルに対しては完全な後発だった。が、アウディらしい完成度の高さにより高い評価を獲得している。

一方、Q3のリアエンドを絞り込んだモデルがQ3スポーツバックだ。一昔前なら5ドアハッチ風のボディだが、今日ならばもちろんSUVクーペ的と表現すべきだろう。

今回箱根ターンパイクとその周辺で試乗したのは1.5Lガソリン、FFのQ3 35 TFSIアドバンストと、ターボブルーというオプションのボディカラーが美しい2Lディーゼル、クワトロ(4駆)のQ3スポーツバック35 TDIクワトロSラインだった。

日本に導入されるQ3のエンジンもこの2種類で、ハンドル位置は全てのモデルで右となっている。

また新型車に欠かせないADAS(先進運転支援システム)関係はアシスタンスパッケージとして12万円のオプションとなっている。

Q3、見た目は◎ 走りは無味無臭?

最初に試乗したモデルはQ3の35 TFSIアドバンスト、つまりガソリンFFの方。

初代のQ3はベースとなったA3によく似ていて、その背中をこんもりと丸く盛り上がらせたようなスタイリングだった。今回の新型は初代よりもはるかに伸びやかな印象で、前後のフェンダーもブリスターと言っていいくらい盛り上がっていて迫力がある。

アウディQ3 35 TFSI
アウディQ3 35 TFSI    森山俊一

というかこれくらいボディ全体が筋肉質じゃないと、最近のアウディの8角シングルフレームグリルの顔とマッチしないのかもしれない。

スポーツバックと共通の室内のイメージはいかにも細心のアウディらしい精緻さで溢れている。センターコンソールのモニターは周囲の黒いパネルに溶け込んでおり、見飽きた長方形とは異なる新鮮さがある。

長身の筆者はいつもエンジン横置き車のフットボックスの浅さが気になるのだが、この部分は相変わらず浅い感じで少し窮屈で残念。

走り出しは不思議なくらい印象が薄かった。

加速やハンドリングがすこぶる滑らかであることは当然なのだが、見た目のインパクトに比べて走りの個性や、もちろん一切のネガも感じられない。

「新車に試乗するぞ!」という期待が大きいと拍子抜けな感じがしなくもない。だが乗れば乗るほど底知れぬ仕上がりの良さに感心させられる。

新型Q3はそんな秀作だった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。

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