【変わった?】アウディQ3/Q3スポーツバック2020年型 ガソリンとディーゼル FFと4WD ベストは?

公開 : 2020.10.19 05:50  更新 : 2021.10.09 22:34

Q3 35 TFSIをもう少し詳しく見てみる

Q3 35 TFSIの試乗の最後の段になって、この個体がFF(前輪駆動)である事実や1.5Lのガソリンが48Vのマイルドハイブリッドであることを知った。

そういえばクワトロらしい蹴り出しの迫力は感じられなかった。

アウディQ3 35 TFSI。ワインディングにおける走りはとても軽快。マイルドハイブリッドの性能は体感できなかった。
アウディQ3 35 TFSI。ワインディングにおける走りはとても軽快。マイルドハイブリッドの性能は体感できなかった。    森山俊一

でもワインディングにおける走りはとても軽快で、ダメなFFにありがちなパワー感がプツプツと切れる走りの安っぽさは皆無。

一方マイルドハイブリッドの性能は体感できなかったのだが、加速の立ち上がりを下支えしてくれているらしい。

よくできたクルマのドライブフィールは中身をさとらせない? そう考えれば「ちょっとだけ高い?」と感じていた464万円という車両本体価格にも納得がいく。

Q3スポーツバックTDI 山道だと……

試乗の後半は、Q3からQ3スポーツバックに乗り換えた。個人的にはスポーツバックの緊張感あるスタイリングの方が圧倒的にいいと思う。

Q3の方が荷室の容量は大きいはずだが、目いっぱい詰め込むようなシチュエーション以外では実用的な差はごく僅かだろう。

アウディQ3スポーツバックの荷室。容量は530L(VDA値)
アウディQ3スポーツバックの荷室。容量は530L(VDA値)    森山俊一

室内はQ3と同じ。走りの最大の違いはTDI(ディーゼル)である。

ガソリンQ3から乗り換えたQ3スポーツバックTDIは、箱根の山道では少しもたつく感じがした。ディーゼルに期待する低速トルクも控えめなものに感じられる。

ガソリンの25.5kg-mに対して34.7kg-mもの最大トルクがあるにもかかわらず。ナゼだろう?

TDIスポーツバックで感じたナゼ?

スペックシートの中にTDIの遅さの原因が2つ発見できた。まず車重が重いこと。クワトロの方が170kg重く、スポーツバックの方がQ3より10kg重い。

しかも7速Sトロニックのギア比がディーゼルの方が全体的に高めになっているのだ。

高速主体でロングドライブする場合にはTDIモデルの方が回転域も低く快適かもしれないが、ストップ&ゴーの出だしの鋭さや上り勾配等々、オールマイティなのはガソリン・マイルドハイブリッドの方。
高速主体でロングドライブする場合にはTDIモデルの方が回転域も低く快適かもしれないが、ストップ&ゴーの出だしの鋭さや上り勾配等々、オールマイティなのはガソリン・マイルドハイブリッドの方。    森山俊一

恐らく増えた車重をTDIのトルクで補っているのだろうが、結果的にはまだ少し足りていないということか。

おそらく高速主体でロングドライブする場合にはTDIモデルの方が回転域も低く快適かもしれないが、ストップ&ゴーの出だしの鋭さや上り勾配等々、オールマイティなのはガソリン・マイルドハイブリッドの方だと感じた。

TDIに試乗したら、無味無臭だと思っていたガソリンQ3ががぜん力強く思えてきた。

ちなみにQ3のWLTCモードの燃費はガソリンが14.2km/Lに対してTDIが15.4km/Lなので大差なし。とはいえ現状ではクワトロはTDIのみなので、ウインタードライブを楽しむにはTDIモデルしか選択肢がないわけだが。

個人的にはスポーツバックのガソリン、17インチタイヤで構成されたQ3スポーツバック35 TFSIが見た目と走りのベストチョイスだと確信した。

見た目は19インチのSラインがいいけれど、乗り心地は17が極上。今回はADASを試せなかったのでライバル車に対しては何とも言えない。

今後ぜひともチェックしてみたいと思っている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。

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