【なぜ月1000台?】マツダMX-30、多い? 少ない? マイルドHV先行 21年1月EV 22年レンジエクステンダー
公開 : 2020.10.20 05:50 更新 : 2021.03.07 00:12
EVが欧州先行 受注急増の背景は?
MX-30の台数と言えば、欧州市場向けではすでに販売され受注数が公開されている。
予約販売は2019年10月からだったが、実車がディーラー店舗に展示され始めた2020年9月から受注のテンポが一気に上がり、9~10月の1か月間だけで3000台を数えた。累計では5200台となっている。
マツダによると、顧客が実車を見たことによって、エクステリアの独創性、インテリアの質感を体感できたこと。また、実際に試乗してマツダらしいダイナミクス(運動特性)を感じたことが、受注の急増につながったと見ている。
欧州では、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会(EC)が掲げる、欧州グリーンディール政策により、厳しいCO2排出量規制を進めている。
その中で、イギリス、フランス、ドイツなどEU主要国はそれぞれがEVなど電動車の普及に対する施策を公表している。
関連するインセンティブ(奨励制度)も各国で実施されており、「この際、思い切ってEVに切り替えようか」というユーザーも増えてきているのは確かだ。
マツダなどメーカーの立場からすると、欧州での電動化対応は必須事項であり、新規モデルとして導入のMX-30についてもEVバージョンとしてまずは欧州へ、という自然な流れとなった。
MX-30を日本でさらに売るには?
話を日本に戻そう。
2021年1月のMX-30 EVバージョン発売について、丸本社長は一般的な新車販売やリース販売など、様々な方法を検討中だと発言している。
その台数については現時点では未公開だが、例えばホンダの「ホンダe」の場合、年間販売計画台数が1000台しかない。8月20日の予約販売で初期分は完売している。ホンダはその数について公表していない。
技術面で見ると、MX-30 EV(欧州仕様)とホンダeは、偶然にも搭載する駆動用バッテリーの電気容量が35.5kWhで同じだ。
だが、車重差やモーター制御の方法の違いなどによって、満充電での航続距離ではMX-30 EV(欧州仕様)はホンダeに比べて2割以上短い。
こうした製品性を踏まえて、果たしてマツダはMX-30 EV(日本仕様)の販売計画台数をどう設定するのだろうか?
そうなると、MX-30の差別化要因は、やはり2022年頃に登場予定のレンジエクステンダーになる可能性が高いと思える。
それまでの2年間は、MX-30が目指す、マツダにとっての新しいブランド価値を着実に築いていく必要がある。
MX-30による世界感を共有するファンの輪を広げる様々なチャレンジにも期待したい。
そうした流れの中で、MX-30に触れる人が徐々に増えていく。
MX-30とは、そんなクルマなのかもしれない。