【走る楽しさはそのまま】フォード・フィエスタ1.0 MHEVへ試乗 1.0L 3気筒+ISG
公開 : 2020.10.29 10:20
運転を楽しめるという特長は変わらない
ISGのアシストは、エンジンの低回転域から得られる。穏やかな加速時は、モーターがトルクカーブに馴染み、アクセル操作に対する食いつきが良くなったように感じる。シームレスさが足りなかったり、ブーストが低いと加速でもたつく印象もあるが、ほんの一瞬。
スポーツ・モードに切り替えれば、すべてがシャープになる。高い段数で機能するオーバーブースト機能と、ISGとのアシストが組み合わさると、加速はさらに良くなる。
3気筒ターボエンジンは、少しざらついた、個性的な排気音を聞かせてくれる。6速MTは、フィエスタに期待する通りの、滑らかな操作感だ。
ペダルやステアリングホイールなどは、操作時の重さも丁度いい。ドライバーの自信を高め、クルマの持つポテンシャルを引き出そう、という気持ちにさせてくれる。
ステアリングの反応や、タイヤのグリップ力にも不足はない。優れたシャシーがドライバーの気持ちに応えてくれ、運転を楽しめるフィエスタの特長は、マイルド・ハイブリッドでも変わらない。
試乗車はSTライン Xというグレードで、18インチのアルミホイールを装着。乗り心地に影響はあるものの、よほど管理の悪い路面でない限り、充分振動を丸めてくれていた。
環境も気にする走り好きのドライバーへ
ISGを積まないフィエスタも、まだラインナップには残っている。しかし、ささやかながら燃費の向上も果たしたマイルド・ハイブリッド版は、価格と動的性能とのバランスで一番優れているように思う。
新しいトヨタ・ヤリスは、個性的な見た目が魅力的だし、燃費はさらに良い。しかし、インテリアの質感や運転の楽しさという点では、フォード・フィエスタの方が一枚うわて。スズキ・スイフト・スポーツも悪くはないが。
新しいルノー・クリオ(ルーテシア)のマイルド・ハイブリッド版は、動的性能で迫る良さを得ている可能性はある。だとしても、環境も気にする走り好きのドライバーなら、フォード・フィエスタ1.0 MHEVは、選択肢の上位に入ってくるはずだ。
フォード・フィエスタ1.0 MHEV STライン X(英国仕様)のスペック
価格:2万2285ポンド(300万円)
全長:4040mm
全幅:1735mm
全高:1476mm
最高速度:202km/h
0-100km/h加速:9.4秒
燃費:19.2km/L
CO2排出量:122g/km
乾燥重量:1217kg
パワートレイン:直列3気筒998ccターボチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:123ps(システム総合)
最大トルク:21.3kg-m(システム総合)
ギアボックス:6速マニュアル