【ハイブリッドのジープ】切り札になるか? ジープ・レネゲード4xe日本上陸 コミュニティとの共創がキー
公開 : 2020.10.22 05:50
4xe、前後輪でのツインモーター方式
4xeと称するからには当然、四輪駆動である。
レネゲートの基本構造を加味して、FF(前輪駆動)ハイブリッド機構と、後輪に独立したモーターを備えた、いわゆるeアクスル方式とした。
モデルグレードとしては、リミテッド4xeとトレイルホーク4xeの2つ。レネゲートのプレミアムグレードという位置付けだ。
エンジンは直列4気筒1.3Lガソリンエンジンのハイブリッドでリミテッド4xeが最大出力191ps、トレイルホーク4xeが239psとなる。
eアクスルのモーターは最大出力60ps、最大トルク25.5kg-m。トランスミッションは6速ATとした。
駆動用のリチウムイオン二次電池は車体中央下部に配置し、電池パックの電気容量は11.4kWhだ。
走行モードは、ハイブリッド、EV、Eセーブの3つ。EVモードでの航続距離は最大48km。また、EVモードでの最高速度は130km/hで、ハイブリッドモードでの最高速度は200km/hに設定されている。
回生ブレーキは2段階に調整可能だ。燃費はリミテッド4xeがWLTCモードで17.3km/L、トレイルホーク4xeが16.0km/L。
オフロード性能も重視しており、改良型セレクテレイン回転スイッチ(4WDロック、4WDロー、ヒルディセントコントロール)という3つのeAWDモードが選べる。
また、アクセルとステアリングの制御をスポーティにするスポーツモードも備えた。
ジープコミュニティとの共創がキー
では、本題に移る。
レネゲート4xeは、日本でのPHEV市場を一気に切り開くことができるのか?
キーファクターは、ジープファンのコミュニティの存在だ。
ジープが売れる理由は、ジープオーナーによるジープに対するロイヤリティ(信頼)の高さだ。
FCAジャパンは、この点を電動化戦略でも重要視する。
具体的には、オーナーロイヤリティ向上プログラム「ジープ・ウェイブ」をアメリカに次ぐ2番目の導入市場として、レネゲート4xe導入のタイミングで、日本を選んだ。
3年間のフリーメンテナンスと、オーナーの特別待遇サービス、さらにオーナーコミュニティ向けサイトを展開する。
また、個人向けリース「ジープフラットライド」も始める。
さらに、オンラインでの予約販売を実施し、購入までの流れをコールセンターのコンシェルジュが行う。
こうした電動化やデジタル化とオーナー体験の拡充を融合させることで、レネゲートを皮切りに4xeブランド戦略が展開されていく。
近年、ドイツ車など欧州車を主体としてモデル拡充が進むPHEV。だが、その価値を十分に把握しているユーザーはまだ少ない、という声がインポーター各社から聞かれる。
そうした中で、ジープ4xeコミュニティが今後、どう育っていくのか?
動向を見守っていきたい。