【アファルターバッハの夢】メルセデスAMGの歴史 飽くなきハイパフォーマンスの追求
公開 : 2020.10.23 11:20 更新 : 2021.01.30 21:14
時代の変化 電動化で切り拓く未来
2016年には、3.0L V6エンジンを搭載するの最初のモデル、SLC 43が導入された。フラッグシップモデルの「63」に続くエントリーモデルである。
その2年後には、CLS 53、E 53クーペ、E 53カブリオレにハイブリッドアシストが登場する。スターター/ジェネレーターを内蔵した3.0L 6気筒ツインターボエンジンは、425psを超える出力を発揮した。
AMG GTのラインナップは、2018年に登場したGT 4ドアクーペによりさらに拡大したが、2シーターのスポーツカーとの共通点はほとんどなかった。その代わりに、4.0L V8ツインターボを搭載したマイルド・ハイブリッドのパワーと、ポルシェ・パナメーラ・ターボに匹敵するパフォーマンスを備えた豪華なエグゼクティブ・クルーザーとなったのである。
第2世代のAクラスでは、2つのバリエーションが与えられることになった。エントリーレベルのA 35はアファルターバッハの体験を低価格で提供し、A 45は422psの巨大なパワーにより世界で最もパワフルな市販4気筒のタイトルを奪還することになる。
しかし、他のパフォーマンスブランドと同様に、AMG初のマイルド・ハイブリッド・パワートレインがGLE 53とE 53サルーンに導入された今、同社のモデルラインナップの将来性に注目が集まっている。
メルセデスで排出ガス関連のトップを務めるフランク・オーバーマイヤーは昨年、800psを超えるGT 73は、巨大な4.0L V8を電気モーターで補うことになると、AUTOCARに語った。
「AMGの全車には、将来的にプラグイン・ハイブリッドをオプションとして用意する予定です。マイルド・ハイブリッドは、排出ガス削減効果が小さすぎるため、AMGの戦略にはありません」
欧州の厳しい排出ガス規制に対応するため、現在のV8エンジンはダウンサイジングされた4気筒ハイブリッドに置き換えられると予想されている。
しかし、アファルターバッハにとって、これでハイパフォーマンスが終焉を迎えるわけではない。
同社は現在、フォーミュラ・ワンから派生した1.6L ハイブリッドを使って1000ps以上を発生するハイパーカー、AMGワンの開発に取り組んでいる。