【フロントグリルを許せる走り】最新BMW 4シリーズ M440i xドライブへ試乗 前編
公開 : 2020.10.25 10:20
引き上げられたインテリアの知覚品質
インテリアは、3シリーズで見慣れた光景。ダッシュボードは水平方向に層が重ねられたデザインで、メーターパネルには12.3インチ、インフォテインメント・システムには10.3インチのモニターを採用する。
M440i xドライブの場合、インフォテインメント・システムはタッチモニターでの操作のほか、便利なロータリー・コントローラーも残っている。オプションで、音声認識機能とジェスチャー・コントロールでも操作が可能だ。
インテリアの知覚品質は、先代よりはるかに高い。用いられている素材や仕上げも上質。
ドライビング・ポジションは、3シリーズとは驚くほど違う。フロントガラスが大きく寝かされ、フロントシートの取り付け位置も低い。操作スイッチが沢山付いたステアリングホイールの位置も、かなりの調整幅がある。
車内空間でBMW 4シリーズを選ぶ人はいないと思うが、先代より明らかに広くなっていることも特長。ただし、リアシートは座面がかなり低いものの、頭上空間は限定的。BMWによれば、それでも余裕は増しているという。荷室容量は5L小さくなり440Lだ。
現時点では、2代目4シリーズ・クーペには、6種類のグレードがアナウンスされている。英国では、エンジンは4種類から選べる。
ベースグレードとなるのが、2.0L 4気筒ターボ・ガソリンで、186psが420iに、261psが430iに搭載される。どちらも後輪駆動が標準になる。
ディーゼルエンジンは、2.0L 4気筒ターボで、192psの設定で420d xドライブに積まれる。こちらは電圧48Vのマイルド・ハイブリッド仕様で、四輪駆動となる。
素晴らしい3.0L直6ターボと8速AT
さらに2021年には、3.0L直列6気筒ディーゼルターボが追加予定。290psと340psの設定で、430d xドライブとM440d xドライブとして英国に導入される見込み。
今回試乗したM440i xドライブは、モデルの中で最もパワフル。従来の440i比で43ps増しの、374psを獲得している。
M440i xドライブに搭載されるエンジンは、3.0L直列6気筒ターボ。M340i xドライブのほか、ほかのBMW製モデルにも積まれているユニットだ。トルクコンバーター式の8速ATと、電子制御のリアデフを含む、四輪駆動システムもM340i xドライブと共有する。
このM440iのエンジンで、際立つ個性が回転のスムーズさと、吹け上がりの良さ。加えて、低回転域でのピックアップの鋭さと、中回転域での柔軟性も目をみはるほどイイ。
背中がシートに押し付けられるような、次期M4と同等の加速は得られない。しかし、50.9kg-mの最大トルクを1900rpmから発生し、とても扱いやすい。フルスロットルの鋭い中間加速と、ハーフスロットルのリラックスした走りを、両立させている。
さらにトランスミッションも素晴らしい。低回転域でのAT任せの変速でも、マニュアル・モードで6800rpmまで引っ張りシフトパドルを弾いても、常にスムーズで素早い。
ドライビング・モードは、エコ・プロ、コンフォート、スポーツの3段階が基本設定。ほかに運転条件で3段階の内容が任意で組み合わされる、アダプティブ・モードが選べる。シフトパドルの操作でスポーツ・モードに変わる、スプリント・モードも追加された。
この続きは後編にて。