【キャンピングカーでお仕事】フォルクスワーゲン・カリフォルニアで在宅勤務 後編
公開 : 2020.11.01 11:50 更新 : 2021.07.27 14:38
70年という年月を経て得た完成度
当然ながら、走りはダイナミックではないし、スリリングなコーナリングも楽しめない。でも極めて簡単に、興奮や不満を感じず、平穏に運転できる。
ベースは商用のバンだ。ロンドンからドイツ・ウォルフスブルクまでの900km近いドライブも、快適で安楽にこなせるはず。
フォルクスワーゲン・カリフォルニアの本当の楽しみは、目的のキャンプ地に着いてからかもしれない。でも運転も、充分に楽しめる。遠出しにくい今だからこそ、嬉しさも大きい。
長い歴史を持つトランスポーターは、長距離ドライブなしでも充分に魅力を感じ取れた。AUTOCARで試乗評価する際に大切にしている基準の1つが、クルマの目的にどれだけ合っているか、ということ。想定した仕事を、どれだけ巧みにこなせるか、だ。
トランスポーターは、その点で見事な完成度にある。70年の年月をかけて、幅広い目的に対応できるように設計が重ねられている。優れた仕上がりが、成功に結びついている。
借りていたカリフォルニアを、返却する日。自宅の中に用意した仮のオフィスへ戻るのに、気が進まなかった。
いずれコロナ禍は落ち着いて、AUTOCARの英国オフィスへも以前のように通勤できるようになるだろう。でも、フォルクスワーゲン・カリフォルニアからのリモートワークも、許してもらえないだろうか。
フォルクスワーゲンID.バズの開発は進行中
フォルクスワーゲンT6ベースの、カリフォルニアが登場したのは2018年。続いてフォルクスワーゲン・キャディをベースとした、小さなキャンパーの登場が控えている。
一方でフォルクスワーゲンは、初代タイプ2の真の後継モデルを作りたいと長年夢見てきた。それは、純EVのID.バズで叶えられようとしている。
MEBと呼ばれるEV用のプラットフォームを土台とし、新しいID.ファミリーの中でも重要なモデルになるだろう。商用車だけでなく、MPVとしても想定され、最新の純EV技術を搭載する。
スタイリングは、商用車部門の責任者自らが「あからさまにレトロ」と認めるデザインをまとう。
さらに次世代のトランスポーター、Tシリーズも、フォルクスワーゲンとフォードとのアライアンスによって、大きな変化を迎える。フォードが開発を主導し、フォードの傑作バン、トランジットと姉妹関係になるのだ。
ただし、トランスポーターとしての魅力が損なわれることはないと、フォルクスワーゲンの責任者は明言している。「従来どおり、フォルクスワーゲンのバスらしい」クルマになるという。
フォルクスワーゲン・カリフォルニア2.0TDI オーシャン(英国仕様)のスペック
価格:4万4000ポンド(589万円)
全長:4904mm
全幅:1904mm
全高:1990mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:11.9秒
燃費:11.8km/L
CO2排出量:222-247g/km
乾燥重量:3080kg
パワートレイン:直列4気筒1968ccターボチャージャー
使用燃料:軽油
最高出力:198ps/5500rpm
最大トルク:45.8kg-m/1400-4000rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック