【3列目は使える?】メルセデス・ベンツGLB シートアレンジ/荷室、徹底チェック 7人乗りSUVの実用性は?

公開 : 2020.10.23 12:05  更新 : 2021.12.04 02:17

ラゲッジスペース 使い勝手は?

SUVとして様々なシチュエーションで使用されるGLBは、ラゲッジスペースの容量が気になる部分だ。それぞれのシートアレンジ時の積載スペースを調べてみた。

まず3列目をフルに使用した7人乗りの場合から。

メルセデス・ベンツGLB 3列目シートを片側だけ倒した状態
メルセデス・ベンツGLB 3列目シートを片側だけ倒した状態    上野和秀

この状態では、3列目のバックレスト上部がリアゲートぎりぎりに位置し、カタログで容量は130Lと謳われる。床面で約200mmの奥行しかないため、荷室に入るのはショルダーバッグなどの薄いものが限界。

ボードケース(550×400×200mm/機内持ち込みサイズ)は積めなかった。

そこで3列目の片側を畳むと、奥行936mm(床面)のフラットなスペースが出現する。

Mサイズのスーツケース(710×425×260mm/容量61L)なら、寝かせた状態で楽に積むことができた。立てれば2本を収められるスペースだ。

Lサイズのスーツケース(790×530×280mm/容量84L)も片側を畳めば寝かせた状態で楽に積むことができる。

3列目シートを畳んだ場合

今度は、3列目の両側シートを倒してみよう。

奥行936mm、左右1150mmの広大なスペースが得られ、4人分のスーツケースを楽に飲み込む。

メルセデス・ベンツGLB 3列目の左右シートをともに倒した状態
メルセデス・ベンツGLB 3列目の左右シートをともに倒した状態    上野和秀

カタログ値の荷室容量は500Lあり、ラゲッジスペースを比較する際の1つの物差しといえるCクラス・ステーションワゴンの440Lを上回る。

実質的にこの状態がGLBのスタンダードといえ、荷室床下に格納されている巻き取り式トノカバーを取り付ければ、荷室の目隠しができるのでセキュリティ的にも安心だ。

2列目も倒せば1680Lの空間が

SUVとして使用するとスキーやボード、自転車などのスポーツギアを積む機会が予想されるが、GLBは大物でも楽々と飲み込む。

セカンドシートは40:20:40の3分割式で、乗る人数と積む荷物に合わせて自在にレイアウトを変えることができる。

メルセデス・ベンツGLB 2列目シートまで倒すとフラットな空間が生まれる
メルセデス・ベンツGLB 2列目シートまで倒すとフラットな空間が生まれる    上野和秀

2列目シートをすべて折り畳めば、フラットな床の荷室が出現。昔のS124のように座面が起き上がるダブルフォールディング・タイプではなくバックレストだけが倒れる方式となる。

しかし、床面は最前部こそ高くなるが、後端までフラットになるので使いやすい。

荷室の前後長は前席シートバック上端からリアゲート内側までの有効長で1687mmを確保。厚みのないボードであればもう少し長いものでも積み込むことが可能だ。

また近年人気がある北欧製の組み立て式家具を買うときも、GLBならば持ち帰りに悩むことはない。

使い勝手の良さがGLBの推し

こうして見てみると、GLBのパッケージングは見事なまでに突き詰められていた。

とくに乗員や荷物の数にかかわらず、どのような使い方にもフレキシブルに対応する考え抜かれた構成が見事といえる。

メルセデス・ベンツGLB 前席内装
メルセデス・ベンツGLB 前席内装    上野和秀

スタイリングやキャラクターが類似するモデルが多いSUVの中にあって、GLBは高いオリジナリティと存在感を放っていた。

手頃なボディサイズとあいまって、あらゆるシーンで“使える1台”となろう。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。
  • 前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)

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