【プーマは標準グレードが一番】フォード・プーマ STライン X ヴィニャーレへ試乗 前編
公開 : 2020.10.31 10:20
英国編集部の高い支持を集める、フォード製コンパクト・クロスオーバーのプーマ。非ハイブリッド版に、新しいデュアルクラッチATという組み合わせが登場です。今回は、上級トリムグレードのヴィニャーレを評価しました。
プーマに7速デュアルクラッチAT版が追加
今回試乗するクロスオーバー・ハッチバックのフォード・プーマは、上級トリムグレードのヴィニャーレ。7速デュアルクラッチATが、新しく組み合わされている。
このSTライン X ヴィニャーレもプーマに多様性を加える存在だが、フォードの花形仕様といえば、ラインの付かない本物のST。こちらも間もなく登場する予定だ。
現行のプーマには、1.0L 3気筒のエコブーストと呼ばれるターボ・ガソリンエンジンが搭載され、124psと155ps版が用意される。電圧48Vのマイルド・ハイブリッドが組み合わされ、英国ではトランスミッションはどちらも6速MTだ。
そして新たに、ハイブリッド版ではない124psの1.0L 3気筒エンジンに、7速デュアルクラッチATというペアが選択できるようになった。
マイルド・ハイブリッドのエンジンで、デュアルクラッチATが選べないのは不可解。機械的な都合があるのだろうけれど、エンジンやトランスミッションは自由に組み合わせられた方が、断然イイ。
2ペダルのプーマは、20年ほど前にATのハッチバックを選ぶような、つまらない選択だと感じる読者もいるかもしれない。それでも、スペックや装備、馬力や燃費、値段を比較するという時間は、クルマ選びの醍醐味だと思う。
華やかさがプラスされるヴィニャーレ
もしフォード・プーマに最も多くの金額を投じたいと考えたのなら、今回のグレードが相当するだろう。STライン X ヴィニャーレは、プーマのトップ・トリムグレードになっている。
ドライブトレインなど機械的な部分は、ほかのプーマと違いはない。見た目では、バンパーやフロントグリル、アルミホイールのデザインが専用となる。インテリアの素材や、装備も上級仕様になっている。
フロントグリルやボディ側面には、ほかのプーマにはない多くのクロームメッキも与えられている。ヴィニャーレがベースとするのは、スポーティなSTライン Xだから、18インチホイールやボディ同色のフェンダーアーチ・モールとサイドシルも付いている。
フロントのエアインテークは大きく、リアバンパーの下からは2本のマフラーカッターが突き出ている。筆者的には、クロームメッキの多用は少し時代遅れ感がなくもない。個人的な印象だから、華やかで好きだと感じる人もいるだろう。
フォードは数年前、プレミアム・サブブランドとして「ヴィニャーレ」を立ち上げた。せっかくの上級グレードながら、プーマのボディにはヴィニャーレを示すエンブレムは付かない。おそらく戦略的なものなのだろう。