【トヨタ・クラウン大幅減】販売台数、先代末期をも下まわる 「若返り」裏目に アルファードの影響も
公開 : 2020.10.27 05:50 更新 : 2021.10.22 10:14
2018年にフルモデルチェンジしたトヨタ・クラウンの売れ行きが芳しくありません。理由は、内外装の「若返り」のほか、おなじくトヨタのアルファード移行が考えられます。11月2日のマイナーチェンジに期待です。
もくじ
ー現行型、大幅減 先代末期を下まわる
ー内外装 失われた「クラウンらしさ」
ーインテリア、操作性が馴染みにくい?
ー若返りを図ったものの裏目に出て苦戦
ーアルファード好調もユーザーを奪った
ーマイナーチェンジで有るべき姿めざす
現行型、大幅減 先代末期を下まわる
トヨタ・クラウン1955年に初代モデルを発売して以来、65年にわたり、日本を代表する高級乗用車であり続けてきた。
セダンでありながら、国内市場に重点を置いて開発されてきたことも特徴だ。
現行型の全長は4910mmと長いが、全幅は1800mmに抑えた。後輪駆動とあって前輪の最大舵角も大きく、最小回転半径は2WDなら5.3〜5.5mに収まる。
今の国産セダンは、ほぼすべての車種が海外向けに開発されるので、全長が4800mmを超えるLサイズモデルは、全幅も1800mmを超えてしまう。
そこをクラウンは、日本での運転のしやすさを考慮して1800mmとした。国内市場を大切に考える貴重なLサイズセダンになる。
このクラウンの売れ行きが、最近は下がり始めた。
現行型の販売推移を見ると、2018年6月の発売直後は伸びたが、2019年6月以降は対前年比が大きく下がっている。
2019年6〜12月は、前年と比べて40〜70%のマイナスだ。
2020年4月以降の登録台数は、コロナ禍の影響を受けたから本来の人気度を反映していないが、コロナ禍前の1〜3月も各月ともに30〜60%減った。
コロナ禍の影響が収まってきた2020年7〜9月も、同様に30〜60%減っている。
直近の2020年9月における登録台数は2050台だ。2018年9月は6063台だったから、クラウンの売れ行きは約2年間で3分の1程度まで減少した。
また先代型がモデル末期だった2017年9月は2357台だ。つまり2020年9月の登録台数は、先代型のモデル末期よりも少ない。
内外装 失われた「クラウンらしさ」
現行トヨタ・クラウンの売れ行きが伸び悩む背景には、複数の理由がある。
まずボディスタイルの変化だ。
歴代クラウンは、エンジンルーム/居住空間/トランクスペースが明確に区分される3ボックススタイルだった。
それが現行型は、ボディ後方のピラー(柱)とリアウインドウが大きく寝かされ、トランクフードは短くなった。さらにボディ側面のウインドウが3分割される6ライトのデザインに変更された。
その結果、エクステリアがリアゲートを寝かせた5ドアハッチバックのように見えてしまう。クラウンの持ち味だった典型的なセダンらしさが薄れている。
インテリア、操作性が馴染みにくい?
現行型クラウンはインテリアも変わった。
インパネの中央部を見ると、モニター画面が上下に2つ並ぶ。上側にはカーナビの地図を表示して、下側はエアコンなどのタッチパネルとして使う。カーナビ操作時には下側でもカーナビ画面を呼び出せる。
ただしスマートフォンやタブレット端末を使い慣れているドライバーでないと、操作が繁雑に感じられて馴染みにくいという声もあるはずだ。
従来型のクラウンは、オーソドックスなスイッチを装着していたが、現行型は印象が変わった。