【トヨタ・クラウン大幅減】販売台数、先代末期をも下まわる 「若返り」裏目に アルファードの影響も

公開 : 2020.10.27 05:50  更新 : 2021.10.22 10:14

マイナーチェンジで有るべき姿めざす

クラウンの売れ行きについて、トヨタの商品企画担当者は以下のように述べている。

「かつてのクラウンは、トヨタ店のみが扱う専売車種でした。従ってクラウンは、トヨタとトヨタ店の皆様が、一緒になって築いてきた商品だと考えています」

トヨタ・クラウンRS(2018年)。販売店は「クラウンは11月2日にマイナーチェンジを実施する」という。
トヨタ・クラウンRS(2018年)。販売店は「クラウンは11月2日にマイナーチェンジを実施する」という。    トヨタ

全店が全車を扱う販売体制への移行は、クラウンのブランドイメージにも少なからず影響を与えた。

クラウンの今後の課題は、現行型がねらったユーザーの若返りと、65年間にわたって築いてきたブランドの両立だ。

知名度の高い商品だから、仮に現行型で売れ行きを下げても、今後のフルモデルチェンジで挽回することは十分に可能だ。

ロイヤルサルーンの復活、セダンらしいボディスタイルの再構築、優れた走行安定性と従来モデルの路線に沿った柔軟な乗り心地の両立など、理想のクラウンを目指して今後も進化を図れる。

それは現行クラウンのチャレンジがあったからこそ、可能になる新しい展開でもあるだろう。

販売店では「クラウンは11月2日にマイナーチェンジを実施して、インパネに装着された2つの液晶画面は、従来と同じ1つに戻します。ハリアーと同じ12.3インチの画面が装着されます」という。

クラウンの進化は、原点回帰を含めて今後も続き、ほかの車種とは違う日本の高級セダンを目指す。

記事に関わった人々

  • 渡辺陽一郎

    Yoichiro Watanabe

    1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。買い得グレードを見極める執筆も多く、吉野屋などに入った時も、どのセットメニューが割安か、無意識に計算してしまう。

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