【心を打つパイクカー】日産フィガロ、イギリスでも人気 価格は上昇 デザインと運転のしやすさ理由
公開 : 2020.10.27 11:50 更新 : 2021.01.30 21:56
エスカルゴ
発売:1989年 生産台数:8000台
その年の後半には、日産史上最も風変わりなクルマの1つであるエスカルゴ(S-CARGO)が登場。愛らしいハイルーフ・バンであるエスカルゴは、カタツムリを彷彿とさせるスタイリング、寿司トレイのようなダッシュボードを備えていた。
クリエイティブなインテリア
創造性にあふれた日産は、1991年にフィガロを発売した。わずか2万台の限定生産にもかかわらず、パイクカーの中で最も有名なモデルとなった。
子供が描いたかのようなピュアなフォルムを持ち、クロムメッキの縁取りと、哀愁漂うヘッドライト、そしてシンプルな楕円形のグリルが独特の雰囲気を醸し出している。
フィガロに一歩足を踏み入れれば、その贅沢で芸術的なインテリアとアームチェアのようなシートに魅了されるはずだ。
ボディは最近のクルマと比べると非常に小さく見えるし、開閉可能なルーフが構造的に空洞を生んでいるにもかかわらず、他の日産車と同じように頑丈に感じる。
ダイナミクス的には、1.0Lエンジンにターボが搭載されていることを除けば、サニーやマーチといった同世代のモデルとほとんど変わらない(つまり退屈ということ)。しかし、運転しやすいという点は、心を打つ理由の1つでもある。
多くが英国へ渡ったフィガロ
フィガロは1989年の東京モーターショーで発表され、大胆で奇抜、華麗なモデルとして高い評価を受けた。
抽選方式で2万台が販売されたが、驚くべきことに、そのうち6000台ほどが英国に輸入された。
サリー州レザーヘッド近郊にある自動車ディーラー、Bookham Autosのハミド・ファダイ社長は約12年間フィガロを販売してきた。
彼はもともと、日産スカイラインやスバル・インプレッサなど中古のハイパフォーマンスモデルの輸入を専門にしていたが、「英国に10台しかなかった頃にフィガロを持ってきた」という。1万1000ポンド(149万円)で販売したところ好調で、それが彼の本業となった。
顧客のほとんどは30~55歳で、その多くは「フィガロを愛している」というファンだ。70%は女性、15%は男性、残り15%は両性のカップルだという。
多くが英国で長く使用されていることもあり、「スペアパーツはすぐ入手できます」とファダイは語っている。
30年前のクルマでありながら、レトロなスタイリングがいつまでも新鮮さを保っていることに驚きを感じる。英国で価格が上昇していることからもわかるように、それが魅力の鍵かもしれない。