【ポルシェ911 3.0 RSR】1975年ル・マン総合6位 ニック・フォーレとの再開 前編
公開 : 2020.11.08 07:20 更新 : 2020.12.08 18:45
334psとスポンサーを獲得した3.0 RSR
当時のフォーレは、財政的に支援していた企業とのつながりが切れ、資金的に悩んでいた。しかし、ロンドンのバーで偶然、別の幸運も掴み取る。
「たまたま話しかけた相手が、ハーレー・ダビッドソンの社長になる人物でした。クレイトン・デイ・ジュニアという、金髪のアメリカ人。パブで出会った人と、その場で仕事が成立です」
「クルマとヘルメットのスケッチを描き、カラーリングを決め、1000ポンドのスポンサー料で合意。冗談で、クルマには69番のゼッケンを描きました。実際、レース本番で主催者のACOが69番を振った時は、とても驚きましたよ」
かくして1975年の夏、フォーレはフランス・サルテ・サーキットへ降り立つことになる。デビュー戦となったジョン・クーパーと、ベテランのジャン・ブラトンと、チームを組んだ。
2.8 RSRと同様に、3.0 RSRも3.0 RSモデルの派生版として登場。トップカテゴリーで戦えるように、54台ぶんのシャシーが量産ラインから抜き取られ、アップグレードを受けている。
ポルシェの技術者はシリンダーヘッドに追加のプラグホールを開け、2.8 RSRと同様にツインプラグ仕様に改造。バルブタイミングは同じながら、リフト量を増やし、燃料ポンプは強化された。
2.8 RSRと同じストレート・ツイン・エグゾーストと、スライド・スロットルへ変更され、8000rpmで334psを獲得。標準の3.0 RS比で、100ps以上が上乗せされた。
この続きは後編にて。