【R360がモチーフ】マツダ3 100th アニバーサリーへ試乗 マツダ・ファンに捧げる1台

公開 : 2020.11.02 10:20

東洋工業時代から数えると、2020年に100周年を向かえるマツダ。それを記念し、乗用車生産の口火を切ったR360をモチーフにしたという、マツダ3の特別仕様が発売されました。英国編集部によるレポートです。

100周年記念ロゴと特別色でコーディネート

text:Rachel Burgess(レイチェル・バージェス)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
東洋工業時代から数えて、マツダは2020年に創立100周年を迎える。そこで100周年記念仕様、100th アニバーサリー・エディションが、マツダ3に設定された。

マツダ初の四輪乗用車といえば、1960年のスバルR360。トップ・トリムグレードをベースに、R360からインスピレーションを受けたという小さなデザイン変更が施されている。この100周年仕様は、MX-5(ロードスター)やCX-30などにも設定された。

マツダ3 2.0 100th アニバーサリー・エディション(英国仕様)
マツダ3 2.0 100th アニバーサリー・エディション(英国仕様)

英国へ導入されるマツダ3 100th アニバーサリーは、100台のみ。バーガンディ(ワインレッド)の内装に、パールホワイトのボディがコーディネートされる。

100周年を記念したロゴが、フロアマットやキー、ヘッドレストなどにあしらわれる。ボディ側面やホイール・センターキャップにも、専用エンブレムが控えめに光る。

基本的に、100thアニバーサリーの違いはこの程度。メカニズムは通常の3と同等だ。火花点火制御圧縮着火と呼ばれる技術を採用した、2.0L 4気筒ガソリンのスカイアクティブXエンジンを搭載し、電圧24Vのマイルド・ハイブリッドが組み合わされる。

英国のマツダによれば、マツダ3の売上の半数をスカイアクティブXが占めているという。ガソリンエンジンのスムーズさと、ディーゼルエンジン並みの燃費を両立させたと聞けば、多くの人が惹かれるのもうなずける。

純EVも視野に入れつつ、内燃エンジンの効率を最大限に高めようとしているマツダ。その努力で誕生したのが、マツダ3にも搭載される180psのスカイアクティブXユニットだといえる。

マツダ3は秀でたドライバーズカー

エンジンの始動時は、ガソリンユニットのように目覚める。中回転域ではディーゼルユニットのようなカラカラという音が耳に届くが、4500rpmを超える頃には、またガソリンユニットのようなサウンドに戻る。

音質は全体的に少しザラついている。それでも、多くのドライバーが気にするほどのレベルではないだろう。

マツダ3 2.0 100th アニバーサリー・エディション(英国仕様)
マツダ3 2.0 100th アニバーサリー・エディション(英国仕様)

スカイアクティブXが導く燃費とCO2の排出量は、100th アニバーサリー仕様の18インチホイールで、17.1km/Lと131g/km。充分悪くない数字だ。

加速力はリニアで、不足は感じないものの、特に活発と呼べるほどではない。排気量の小さいフォルクスワーゲン・ゴルフフォード・フォーカスのガソリン・ターボほどの勢いはない。0-100km/h加速8.2秒。最高速度215km/hとうたわれている。

スカイアクティブXは少し期待はずれながら、マツダ3は同クラスのハッチバックの中でも、秀でたドライバーズカーの1台。超えられるのは、フォード・フォーカスくらいだと思う。

精度の高いステアリングと、素早く好感触で決まる変速。爽快なコーナリングマナーで、ルートを選ばず運転が楽しい。機敏な動的性能と引き換えに、乗り心地はやや硬い。しかし、姿勢制御はライバルより優れている。

インテリアは、一昔前のマツダとは隔世のでき。ドイツのプレミアム・ブランドに迫る水準にありながら、日本車的な使いやすさも残されている。

インフォテインメント・システム用のロータリー・コントローラーも、使いやすい。物理的なインターフェイスが消え、タッチモニターに集約されゆく中で、うれしい存在だ。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事