【アメリカで高額落札】日本の軽トラック・軽自動車 6台がオークションに スバル360のポリスカー(?)が400万円超え

公開 : 2020.10.28 17:20  更新 : 2021.10.11 09:37

日本の軽トラ・軽自動車が、北米の自動車オークションに姿を見せました。三輪トラックのマツダK360、左ハンドルのスバル360、ホンダN600、Z600が出品。スズキ・キャリイは、驚きの額で落札されています。

「エルクハート・コレクション」とは

text:Kazuhide Ueno(上野和秀)
photo:RM Sotheby’s

コロナ禍の影響からオンライン中心で開かれていたコレクターズカー・オークションだが、感染対策を施して会場に入札者を集めるスタイルで開催されるようになってきた。

しかし、以前とまったく同じというわけにはいかず、会場への入場人数が制限される代わりに、代理入札やリモート入札が用意された。

1993年スズキ・キャリイ・トラック
1993年スズキ・キャリイ・トラック    RM Sotheby’s

10月23~24日にアメリカで開かれたRMサザビーズ・エルクハート・コレクション・オークションでは、会場に出向いての直接入札とリモート入札が併用で行われている。

エルクハート・コレクション・オークションは、ちょっとダークな経緯から開催された。

アメリカのエルクハートにある会社の創立者ナヒブ・カーンは、被害総額が1億ドルにも及ぶ詐欺罪で告発され自己破産。裁判所は、債権者への返済に充てるために、彼が所有する「エルクハート・コレクション」を売却するよう命じた。

ちなみにコレクションの総額は、約3100万ドル(約33億円)になるとみられている。

その「エルクハート・コレクション」は240台ものコレクターズカーと35台のモーターサイクル、膨大な量のレアパーツ、オートモビリアからなり、売却を任されたRMサザビーズがオークションを開くことになったのである。

コレクションの中身は多岐にわたり、日本の軽自動車も含まれている。

「軽」6台出品 スバル360ポリスカーも

「エルクハート・コレクション」には、王道といえるフェラーリ225、M・ベンツ300SLガルウイング、ランボルギーニ・ミウラといったコレクターズカーが含まれている。

これに加えて、ライトウェイト・スポーツ、ベーシックカー、ヴィンテージカー、ミリタリーカー、果てはトランスポーター用のトレーラー・トラックまでが含まれる。

1970年スバル360ポリスカー
1970年スバル360ポリスカー    RM Sotheby’s

その中で異彩を放っていたのがマイクロカー・コレクションだ。

メッサーシュミットやヴェスパ400、イセッタ、ロイド、ゴッゴモビルなどのヨーロッパ勢はもちろん、そこには日本の軽自動車も数多く含まれていたのである。

今回出品された「軽」は1960年マツダK360、1969年スバル360デラックス、1970年スバル360ポリスカー、1970年ホンダN600、1972年ホンダZ600、1993年スズキ・キャリイ・トラックの6台。

このなかで注目を集めたのがスバル360ポリスカーだ。

ニュージーランドのマナワツ・ワンガヌイ地方の運輸局で使われたという、見るからにポリスカーというカラーリング・装備が特徴だ。

しかし、フロントにニュージーランドのライセンスプレートが付くがリアにはなく、左側通行のニュージーランドで左ハンドルでマイルメーターという辻褄があわない部分がある。

RMサザビーズの車両説明でも詳細については触れられていないので、真相は不明だ。

また、ノーマルのスバル360デラックスは1968年モデルが輸出仕様が出品。形式は、K111の後に左ハンドルを意味する「L」を追加したK111Lとなる。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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