【カーシェア投資】有志による投資車両の確認はじまる エンジン掛かる? 投資者は今、どうすべきなのか
公開 : 2020.10.30 05:50 更新 : 2022.03.25 18:51
ボランティアによる「確認作業」開始
川口市内にある通称「昭和カートン」駐車場には10月下旬、続々と投資者が訪れている。
昭和カートンに約240台、その周辺の駐車場に60台で約300台のクルマが停まっている。
自分のクルマはここにあるのか? カギや車検証は? クルマの状態は?
不安げな表情で確認に訪れる投資者に対応するのは、同じくS社の投資案件で被害を受けている数名の有志だ。
【MB】【BMW】【L】などと書かれたケースの中には大量のカギが入っていた。また、駐車場内の車両配置図も作られており、各車両のナンバーと駐車場所がわかりやすく示されていた。
筆者もS社で契約をしてクルマが行方不明となっている知人のメルセデス・ベンツや自動車盗難情報局に盗難報告があった数台について調べてもらった。
知人のメルセデス・ベンツは明らかにS社で契約したクルマだが、自動車盗難情報局に報告があったクルマはS社の契約車両とは明記されておらず「カーシェアで貸し出し中に盗難されました」と報告されているだけだ。
しかし、ナンバーを告げると、なんとすべてS社のクルマで「貸し出し中」という結果だった。
事業を停止したあとも、クルマは返されておらず、どこにあるのかもわからない状態のクルマも多い。
中には引き続き、利用者からの要望によって投資者と直接話し合った結果、月額5万円程度で貸し出されているクルマもある。
集団訴訟は難しい その理由は……?
240台以上が停まる昭和カートンの駐車料は月額100万円だ。
もちろん、事業停止をした10月以降の駐車料金の入金はないそうだが、大家さんの厚意で年内いっぱいまではこの場所にクルマを停めておくことができるとのこと。
クルマの状態は、そのままでエンジンがかかるものもあれば、全損状態で走行もままならないものもある。
中にはクルマの持ちだしを希望する投資者もいるようだが、車両確認作業をおこなうボランティアいわく、「クルマは持ち帰らず確認だけにしてほしい」という。
というのも、ここにあるクルマのほとんどは信販会社が所有者となっており、信販会社から「クルマを出さないように」との指示を受けているからだ。
中には「信販会社の許可を得ている」とウソをついて持ち出そうとする者もいて対応に苦慮しているとのこと。
警察関係者にも聞いてみたが「車検証上の使用者であっても、所有者である信販会社や、運営委託契約を結んだ相手の許可なしに駐車場から持ち帰ることは法に触れる場合がある」との答えだった。
今後、何らかの捜査がおこなわれることも予想されるため、現場の状態を変えて欲しくないという思いもあるのだろう。