【詳細データテスト】ポールスター1 長いEV走行距離 高速域では快適だがやや非力 もっと軽ければ
公開 : 2020.10.31 18:50
内装 ★★★★★★★☆☆☆
ポールスター1に批判的なレビュアーは、このクルマにずっと安価なボルボとの明確な差別化を期待していたのだろう。しかし、テスター陣はそれをじつに不当な意見だと思う。ボルボの近年の上級モデルはそれほど質素ではない。キャビンの質感は高く、ドイツ勢のライバルに比べても高級感がある。
だから、このクルマのインテリアはベントレーあたりのように贅沢なマテリアルを使っていなくても、リッチで納得できるだけのラグジュアリーさでひけを取らない。ポルシェやメルセデスAMGの対抗モデルと比較しても同様だ。
1500台限定生産のポールスター1は、すべてが左ハンドル仕様で、英国や日本など右ハンドル主流の市場では使いにくさを感じる部分もあるだろう。また、使い勝手についていうなら、トランクリッドを開けた際にその限界を痛感することになる。幅は広いが、リアアクセルの上に置かれたバッテリーにより、奥行きがかなり制限されるのだ。
キャビンについても、後席は子どもか、せいぜい体格の小さい大人向けといった2+2の域を出ないスペースにとどまる。そのリアシートをフォールドすることもできないので、ゴルフクラブなら1セット、小ぶりのスーツケースならふたつ積むのがいいところだ。
ドライビングポジションは低く包まれ感があるものの、アクセス性はよく考えられている。ただし、ステアリングコラムのテレスコピック量は若干足りない。運転席のシートは非常に快適でアジャスト性に秀で、長距離走行も苦にならない。
視認性は、フロントとサイドに関しては良好。とくに側面は、ピラーレス構造が効いている。だが、後方についてはリアウインドウの上下幅が不足気味で、ルームミラーに映る視界はちょっと狭い。
デジタルのメーターパネルは鮮明だが、われわれの目にはちょっとシンプルにしすぎたように映った。表示内容は状況に応じて切り替わり、メーターパネルとヘッドアップディスプレイの併用も可能だが、くっきりしたヴィジュアルやディテールには欠ける。エンジンの回転計が、パワーモードを選ばないと表示されないのも不満な点だ。