【最後の1ピース】決定版か? メルセデス・ベンツGLB 200 d試乗記 走り/価格/運転支援を検証 ヒットの予感

公開 : 2020.12.27 18:25  更新 : 2021.10.09 22:33

ドライバビリティより重要なのは?

GLB 200 dのドライブフィールは実に軽快だ。これはMFAプラットフォームに共通する印象。

FRベースのメルセデスしか乗ったことがない人は軽快というより軽薄と感じてしまうかもしれない。それはミレニアム世代のクルマに共通する感覚なのだが、特に密度感の高いクルマを作ってきたメルセデスの場合はその落差が激しいのだと思う。

GLB 200 dのドライブフィールは実に軽快。MFAプラットフォームに共通する印象と筆者。
GLB 200 dのドライブフィールは実に軽快。MFAプラットフォームに共通する印象と筆者。    花村英典

だが初めて乗ったメルセデスがすでにFFモデルだった場合、そして国産からの乗り換えであればステアリングのしっかり感やシートの硬さなど、ドイツのいいモノ感はちゃんと感じられるはず。

昨今はコーナリングのアンダー/オーバーといった荒っぽい話より、ADAS(先進運転支援システム)の出来の方が重要視されている。

背の高いSUVはロールが大きそう、とか言ってSUVに踏み出せない人は最新のモデルを試乗してみる必要がある。

ステアリング上のスイッチの左側がインフォテインメント、右側がアダプティブクルーズコントロール関係となっている。

レーンキーピング機能はカーブの曲率がきつくなると自動操舵を終了してしまう。だがステアリングに軽く手を添えてリラックスしてドライブできる性能はGLBでもしっかり踏襲されている。

日進月歩のADASだが、現行メルセデスくらい進んでいれば、しばらくの間(何年とは誰も言えない)は遜色なく使えると思う。

AやCよりBクラスが買いの理由

まるで小さなGクラスのように雄々しいGLB。その仕上がりは全くもって優秀だと感じた。

相対的な見方をした場合でも優位性がある。

雪道を走るならガソリン、それ以外は燃料代のメリットもあるのでディーゼルがお薦め。一般的な砂利道なら、ロードクリアランスと電子制御だけで走破可能なので4駆である必要はないと筆者。
雪道を走るならガソリン、それ以外は燃料代のメリットもあるのでディーゼルがお薦め。一般的な砂利道なら、ロードクリアランスと電子制御だけで走破可能なので4駆である必要はないと筆者。    花村英典

GLAと比べれば使い勝手の幅が圧倒的に広く、FRベースのGLCと比べた場合でも、ボディサイズがほんの少し(GLBの全長が35mm短い)しか違わない割には、雰囲気がかなり違っている。

GLCはやはり旧来のメルセデスらしい風格があり、一方GLBには親しみやすさがあるのだ。

車両価格も今回のGLB 200 dが512万円~であるのに対し、全て4駆のGLCはエントリーモデルである220 d 4マティックでも700万円~ということで価格的な差もそれなりにある。

筆者はガソリンのGLB 250 4マティックにも試乗しているので、最後にGLBの2モデルを比較しておこう。正直なところ、ファミリーユース、オンロードに限れば甲乙つけがたい。

ガソリンかディーゼルかという点では新型の8速ATが優秀なので低回転が得意なディーセルと高回転で伸びるガソリンの良さが上手く均されている。

だから雪道を走るならガソリン、それ以外は燃料代のメリットもあるのでディーゼルがお薦めだ。

もちろん一般的な砂利道なら、ロードクリアランスと電子制御だけで走破可能なので4駆である必要はないと思う。

メルセデスSUVラインナップの最後(?)の1台は大ヒットの予感ありだ。

メルセデス・ベンツGLB 200 dのスペック

価格:512万円
全長:4630mm
全幅:1835mm
全高:1700mm
最高速度:-
0-100km/h加速:-
燃費:17.5km/L(WLTCモード)
CO2排出量:-
車両重量:1740kg
パワートレイン:直列4気筒1949ccターボディーゼル
使用燃料:軽油
最高出力:150ps/3400-4400rpm
最大トルク:32.6kg-m/1400-3200rpm
ギアボックス:8速オートマティック
乗車定員:7名

メルセデス・ベンツGLB 200 d
メルセデス・ベンツGLB 200 d

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。

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