【待ち時間をビジネスチャンスに】多機能のEV充電ステーション シェル、欧州展開を計画
公開 : 2020.11.03 18:07
課題はやはり数と場所
だが、充電ポイントはまだまだ足りない。
ホロウェイにあるシェル初の充電ポイント(ガソリンスタンド内)では、50kWの充電器が2台設置されており、月に約200人が利用しているという。しかし、AUTOCAR編集部が立ち寄ったときには、化石燃料を供給するメインのスタンドが大賑わいだった。
その充電ポイントにはテスラが停まっていて、オーナーに話を聞くことができた。彼は名前を名乗らなかったが、ウーバーの運転手だと言っていた。
「来る時間を間違えましたね。みんなが仕事から帰ってきて、明日のために充電する午後の終わり頃から忙しくなるんです。ジャガー、テスラ、アウディ、あらゆるクルマをここで見たことがあります」
「充電に30分待っても気にしません。シェルは最高の場所を提供してくれます。クルマは安全だし、充電器はいつでも使えるし、トイレもある。ここホロウェイにはグレッグス(パン屋のチェーン店)もあります」
不満について聞いてみると、次のような答えが返ってきた。
「シェルは、フラムのような裕福な地域ではなく、このようなワーキングエリアに新しいEVステーションを開設すべきです。さまざまなユーザーにメリットがあるでしょう」
それはもっともな指摘と言えるだろう。
充電待ちを有効活用
EV充電時間を有効活用しようとしているのはシェルだけではない。充電インフラを手掛けるBPチャージマスターは8月、小売大手のマークス&スペンサーと提携を結び、ケント州にある同社の店舗に50kW急速充電器3台を設置した。
この充電器では100%再生可能な電力を供給し、非接触式の決済端末とコネクターを備え、すべてのEVに対応している。BPチャージマスターが展開する公共充電ネットワーク「POLAR」の一部であり、会員向けのRFIDカードまたはアプリで利用可能だ。同様の充電ポイントは5店舗で試験運用される。
BPチャージマスターのCEOであるマッテオ・レンツィは次のように述べている。
「急速充電器の設置により、現在EVを運転している、または近い将来に運転するであろうマークス&スペンサーの既存顧客にサービスを提供するだけでなく、同社の店舗に新たな顧客を呼び込むことを期待しています」