ホンダ・ジャズ・ハイブリッド
公開 : 2013.11.26 22:00 更新 : 2017.05.29 19:10
■どんなクルマ?
日本市場ではホンダ・フィットとしてすでに公開、発売されているホンダ・ジャズは、残念なことにイギリスのショールームに届くのは、恐らく2015年あたりまで待たなくてはならない。
ただ、あなたが先代のジャズが好みであったならば、この新しいジャズが導入されるまで待つべきだ。もしお好みに合わないのであれば、先代と同じように新型も候補に上ることはない。というのも、プラットフォームが新しくなり、50mm長いホイールベースと新しいパワートレインが採用されてはいるが、基本的なデザイン・フィロソフィーは変わっていないからだ。この十数年でおよそ500万台を売り上げたジャズの公式を、ホンダがなぜ書き換えないかはお分かりいただけるだろう。フィエスタのサイズで、フォーカスより大きなスペースを求める人のためのクルマ、それがジャズなのだ。そのスタイルについて意見があるのであれば、それはお門違いというものである。
■どんな感じ?
相変わらず印象的なのは極めて広いスペースだ。しかも、ホイールベースを伸ばしたことにより、さらなる室内空間が生まれている。たとえば、183cmの背丈のドライバーの後ろに183cmの乗員が乗ったとしても、身体を伸ばせるスペースが十分に確保されているのである。
キャビンの幅は他の5シーターに比べ明らかに狭いのだが、4人で旅行をしたい場合には充分なサイズだ。
残念なことにホンダ・ヨーロッパはどのエンジンを導入するかの決定をまだ下していない。本田技研工業代表の山本芳春氏は我々に「ヨーロッパ市場におけるジャズのディーゼル仕様は魅力的な選択肢だ」と語ってくれたのだが、彼らの長期商品計画を盗み見たものによれば、そのプランにディーゼル・エンジンは含まれていなかったという。
現在のところ、105bhpを発生する新しい1.0ℓの3気筒ターボエンジンが搭載されると見る方がまだ可能性が高い。歯がゆいことに、さらに重量のあるシビックに搭載された同エンジンをドライブする機会があったのだが、少なくともほぼ同スペックのフォード・エンジンのライバルになりうる素晴らしい印象を得た。
私がドライブしたジャズは合計133bhpを発生する1.5ℓハイブリッド・システムに、現行モデルのCVTから変更されたデュアルクラッチミッションが組み合わせられていた。
このパワーはジュニア・ホットハッチのパフォーマンスを提供してくれるはずだが、そのような印象は感じなかった。電力のみでの走行(75km/hの速度、3.2kmの距離まで電気自動車として走れる)から素早くハイブリッドモードに切り替わるのだが、ガソリン・エンジンは速度を上げるとうるさく、デュアルクラッチ・トランスミッションは時々変速が遅く感じるときがある。乗り心地やハンドリングは特徴のないテスト・コースにおいては十分な性能レベルを確認できたが、クラストップに及ぶことはないだろう。
■「買い」か?
1.0ℓターボ・エンジンの仕様ならば、恐らくジャズを次のステップに引き上げるだけの性能がある。ただし2015年まで待たないといけないのが残念でならない。
(アンドリュー・フランケル)
ホンダ・ジャズ・ハイブリッド
価格 | NA |
最高速度 | 185km/h |
0-100km/h加速 | 10.5秒 |
燃費 | 30.1km/ℓ |
CO2排出量 | 85g/km |
乾燥重量 | NA |
エンジン | 直列4気筒1500cc + モーター |
最高出力 | 133bhp/000rpm |
最大トルク | 17.3kg-m |
ギアボックス | 7速デュアル・クラッチ |