【ボルボ製ワゴンの世界観に合う】ボルボV90 B5へ試乗 フェイスリフト マイルドHV
公開 : 2020.11.09 10:20
乗り心地もエンジンも、とても滑らか
今回試乗したのは、2.0L 4気筒ガソリン版のV90 B5。電圧48Vのスターター・ジェネレーター(ISG)のアシストを受け、システム総合で250psを生み出す。
減速時や惰性走行時には、ISGが運動エネルギーを電気エネルギーとして回収。B5の燃費を、14.3km/Lまで伸ばしてくれる。今回の試乗では、それに近い数字が出ていた。
V90のボディは小さくないものの、ガソリン・ターボエンジンは静かに確かな仕事をしてくれる。低速域でスムーズに走るのは、マイルド・ハイブリッドの恩恵だろう。
とっさに加速したい時などでは、洗練された印象が瞬間的に減じられる。しかし、一度スピードが乗ってしまえば、心地よく軽快な走りに浸ることができる。
乗り心地も良い。試乗車はトップグレードのインスクリプションで、19インチのホイールを履いていたが、サスペンションは舗装の乱れを見事に吸収。街なかでも高速道路でも、滑らかにボディは進んでいく。
ステアリングホイールの操舵感は、低速域では少し重め。大きなボディにも関わらず、安定性は高く、高速域でも不安感なく操れる。
そうはいっても、ボルボV90は、パフォーマンス重視のドイツ製ステーションワゴンのように、ダイナミックな走りを楽しむタイプではない。かつてボルボ850のツーリングカーを飛ばしたリカルド・リデルには、少し物足りないかもしれない。
スウェーデン製ステーションワゴンの魅力
リラックスしたドライブが、大きなステーションワゴンのボルボV90で一番の幸せを感じられる時間。新しいマイルド・ハイブリッドが生む、洗練された特別な質感には、非常によく合っている。
燃費や税金などを重視するなら、ディーゼルエンジン版のマイルドハイブリッドや、プラグイン・ハイブリッドの方に気が向くだろう。パワートレインに関わらず、V90はエグゼクティブ・ワゴンとしての訴求力は高い。
フェイスリフトを受け、電動化技術を採用したボルボV90 B5 インスクリプション。スウェーデン製ステーションワゴンの世界観は、衰えたわけではない。
ボルボV90 B5 インスクリプション(英国仕様)のスペック
価格:5万3355ポンド(720万円)
全長:4936mm
全幅:1879mm
全高:1475mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:6.9秒
燃費:13.0-14.3km/L
CO2排出量:159-176g/km
乾燥重量:1756kg
パワートレイン:直列4気筒1969ccターボチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:250ps/5400-5700rpm
最大トルク:35.6kg-m
ギアボックス:8速オートマティック