日産GT-R 2014年モデル
公開 : 2013.11.26 22:00 更新 : 2017.05.29 19:27
■どんなクルマ?
2014年モデルのGT-Rは、単に今年の12月以降にGT-Rをオーダーすれば誰でも入手可能なモデルだ。しかし、これまでのイヤー・モデルと異なり、2014年モデルは日産がそれまでのGT-Rと明確に違いを打ち出したモデルでもある。そして、このタイミングで注目のハイ・パフォーマンス・モデルのGT-R NISMOも登場している。
2014年モデルは、開発着手から10年めの節目を迎えるモデルであり、2012年のニュルブルクリンク24時間レースなど数々のモータースポーツから得たものをフィードバックしたモデルだ。
特に、そのサスペンションは、4輪の接地荷重変動を減らし、より均等に接地荷重を配分するために、スプリングのバネ定数とショック・アブソーバーの電子制御、フロント・スタビライザーのバネ定数の最適化、リンク・ブッシュ類の見直しなどを行っている。この結果、サスペンションの有効ストロークを増やして路面追従性を高め、荒れた路面でも確実にグリップを発揮できるようになった。また、微細な振動やロードノイズを抑えたことにより、乗り心地と安定性を向上させている。
タイヤはダンロップSPスポーツ・マックスGTが標準となり、ステアリングは日常域で取り扱いしやすい操舵力としている。
ブレーキは、減速Gとペダル踏力の特性を見直し、コントロール性とペダルの踏み応えをチューニングしている。特に、踏み始めから精度宇宙機に掛けてしっかりとしたリニアな踏み応えが感じられるようになっている。
また、アンダーフロアまわり、特にリア周りの部品同士の合わせこみを行い、結合剛性をアップしている。大きな荷重がかかったときの振動やノイズのキャビンへの進入をカットした。また、エンジン、トランスアクスル、タイヤなどが発生するノイズの中で、人間が不快に感じる音源を、アクティブ・ノイズ・コントロールを持つBOSEサウンド・システムによってカットした。
外観では、新デザインのリアLEDランプや、LEDヘッドランプと高効率LEDポジション・ランプを採用したフロント回りなどが新しい。また、ボディ・カラーも新たにゴールド・フレーク・レッド・パールが追加された全7色となっている。
■どんな感じ?
コンフォート・モードは明らかに日本の舗装状態の良い路面向きのソフトなセッティングだ。彼らは、このソフトなセッティングを、より多くのトラクションを得るために創りだしたという。実際、日常的な使用では明らかに良くなっている。また、交差点でのステアリング操作も軽くなっている。普通に走っている分には、GT-Rの恐ろしい力はほとんど発揮されないのだ。
しかし、一旦スロットル・ペダルを踏み込めば、僅かな瞬間の休止の後、攻撃的で凄まじいパワーを発揮する。日産は新しいGT-R NISMOの0-100km/h加速をまだ公表していないが、このスタンダードなGT-Rでさえ3秒を切るタイムを叩き出すのだ。その加速は、必要にして充分すぎるものだ。
その加速の中でも、日産がこのGT-Rに施したノイズ対策が功を奏していることははっきりとわかる。キャビンのまわりのノイズは明らかに低減されている。エンジン・ベイからのサウンドは、低速時では抑えられ、高速時になるとトランスアスクルの立てる音とミックスされて心地よくキャビン内に侵入してくるのだった。
■「買い」か?
日産はGT-R NISMOというハイ・パフォーマンス・モデルを造り上げることによって、GT-Rを2つのモデルに分けた。これがベストかどうかはまだわからない。ただ、ノーマルのGT-Rは、より快適になりポルシェ911のようなオールラウンダーになったことも事実である。
(アンドリュー・フランケル)
日産GT-R 2014年モデル
価格 | 9,051,000円〜10,111,500円 |
最高速度 | 315km/h |
0-100km/h加速 | 2.7秒 |
燃費 | 8.7km/ℓ |
CO2排出量 | 275g/km |
乾燥重量 | 1740kg |
エンジン | V型6気筒3799ccツインターボ |
最高出力 | 550PS/6400rpm |
最大トルク | 64.5kg-m/3200-5800rpm |
ギアボックス | 6速デュアル・クラッチ |