【2020年のベストSUVは、やはり】ランドローバー・ディフェンダー 多様な能力 受け継いだ特徴
公開 : 2020.12.27 21:45
まったく新しく生まれ変わった、英国伝統のオフローダー、ランドローバー・ディフェンダー。幅広い価格帯のグレードが用意され、優れたオフロード性能とオンロード性能を兼ね備えている点を、高く評価しています。
優れた走破性を、上質なインテリアに融合
モデル・ライフが長くなる中で、ランドローバー・ディフェンダーのモデルチェンジは難しい仕事になっていた。70年近い生産期間を迎えた初代では、数多くのバリエーションを展開。オフロード・モデルとして、英国のアイコン的存在になっていた。
2020年に発表された2代目ディフェンダーでは、道を選ばない走破性に、近年のランドローバーへ期待する上質なインテリアを融合。ジープ・ラングラーやメルセデス・ベンツGクラスなどの、正当なライバルとなった。
それでいて、オンロードマナーや技術水準は、アウディやBMW、メルセデス・ベンツなどのプレミアムSUVとも戦えるまでに、高められている。
ランドローバーは、伝統のセパレートシャシー構造を改め、モノコック構造を選んだ。サスペンションは、独立懸架式になった。しかし、ディフェンダーの悪路性能に良くない影響は一切なかった。
シンプルで機能的な電子制御システムによって、オフロード初心者でも、エキスパートのように複雑な地形を克服できる。外部カメラとセンサーは、腕利きのドライバーにとっても有用なはず。
オンロードでは、ほかのSUVと比べてリラックスした乗り心地を味わえる。エアサスペンションの優しいクッションの上で、長距離の高速道路も疲れ知らずだ。
実用的でありながらデザイン性も高いインテリアは、心地よく家族を包んでくれる。インフォテインメント・システムの完成度や使いやすさも、クラスベストに並ぶほど良い。
活躍の場を選ばない多様な能力
クルマとしての利便性も高い。全長の異なる、3ドアの90と5ドアの110が選べる。110では、3列目をオプションで指定でき、5名から7名の定員に対応する。
エンジンの選択肢は2.0Lのディーゼルから、直列6気筒のプラグイン・ハイブリッドまで幅広い。商用目的のハードトップ仕様もあり、オプションやトリムグレードもふんだんに用意されている。家族旅行や週末のレジャーだけでなく、多様な需要に適合できる。
スタイリングは、初代からの流れを感じさせる。しかも、上品にモダナイズされている。
ランドローバーは、ディフェンダーを見事に進化させた。農場だけでなく、ロンドンの都市部でも学校への送迎でも、活躍の場は選ばない。世界有数のオフロード性能を備えていながら、扱いやすく日常にも溶け込める。
ディフェンダーをSUVのベストとする理由。それは、多様な能力にある。
審査員コメント
Steve Cropley(スティーブ・クロップリー)
ランドローバーが、新しいディフェンダーを生み出す際に下した判断。初代モデルをコピーするのではなく、特徴を活かしながら見事に現代化させたスタイリングに、すべてが現れているように思う。
独立懸架式のサスペンションへ改め、洗練された四輪駆動システムと最新の電子技術を備えることで、動的性能は飛躍的に向上。しかし、ドライバーとディフェンダーとの濃い関係性は、しっかり残されている。