【新型フェアレディZ妄想ドライブ 前編】3.0Lツインターボは400psオーバー 車体、大幅改善の可能性
公開 : 2020.11.05 05:50 更新 : 2021.10.13 15:58
新型Z バルジとグリルでパワーを表現
次に、V6ツインターボについてだ。
アルバイザ氏が、ボンネットの中央部の膨らみであるバルジや直線的なデザインがS30からの継承であると説明。
これを受けて、田村氏は「ファンクショナル・デザイン(機能的なデザイン)」という表現を使った。
具体的には、エンジンルーム内の温度を適切化するための冷却効果として、グリルからの空気流入量をコントロールしている。
以上のような前説があってから、内田社長が自らステアリングを握ってコースに出た。
6速マニュアルトランスミッションを丁寧に扱いながら「力強い」という感想をインカーカメラに対して発している。
内田社長は同車試乗の前に、S30と現行フェアレディZ(Z34)でも走行しており、特にZ34と比較してターボによる太いトルクが「力強さ」として感じ取ったのだろう。
こうした内田社長の気持ちを、筆者(桃田健史)を含めた報道関係者、またユーザーや販売店関係者が実感するのは当分先になりそうだ。
一部の自動車媒体では、Z35は2021年秋の東京モーターショーで量産型が発表され、発売は2022年になると報じている。
その上で、あることを思いついた……。
現行の2モデルを同時試乗することで、Z35の実像を体感的に想像するというやり方だ。
新型Z エンジンと車体という切り口
現行2モデルとは「フェアレディZ(Z34)」と、「スカイライン400R」だ。
先に紹介したように、日産としてはZ35の大きな特徴として、V6ツインターボを挙げている。
海外メディアの中には、Z35は最高出力が400psオーバーとなり、海外モデル名称が現行「370Z」から「400Z」になるのでは、という報道もある。
プロトタイプが「ほぼ量産」のデザインで実走できる状態にあるZ35において、搭載ユニットのV6ツインターボとして可能性が高いのは、VR30DDTT型である。
「GTタイプP」では304ps、そして400Rでは過電流式(磁束感知式)のターボ回転センサー、水冷式インタークーラー、電動VTCシステムなどを連携し405ps化している。
端的に、Z34に400R搭載のV6ツインターボを載せたらどう感じるのか?
それを原点として、Z35の開発を考えるべきなのか?
そうではなく、車両開発においても、アルベイザ氏や田村氏がいう、S30からZ34に至るZヘリテージをボディデザインとして見える化し、それをパッケージングしていくという正攻法を進めていくのか?
Z34、400Rそれぞれの現状を実感することが、Z35のイメージを見える化するための唯一の方法だと思う。
日産がZ35商品開発を進める目線を想像しながら、横浜の地でZ34と400Rを交互に乗り比べてみることにした。(中編に続く)