【詳細データテスト】アストン マーティンDBX 絶対値よりバランス重視 自然なハンドリング 惚れるサウンド
公開 : 2020.11.07 11:50 更新 : 2020.11.14 16:49
内装 ★★★★★★★★☆☆
DBXはたしかにSUVだが、乗り込み方はいかにもSUVらしいというものではない。やや扱いにくい飛び出し式ドアハンドルを引いてフレームレスドアを開くと、Aピラーもルーフラインも低い。そして目に飛び込んでくるのは、少なくとも機能性と同じくらいには華麗さが重要だと考えられている空間だ。
視線を下に向けると、そこに想像していたようなサイドシルの盛り上がりはなく、フロアは完全にフラット。また、ドアの下縁が、サイドシルの外側を完全に覆うようになっていることにも気づく。乗り込むのが楽な上に、ボディについた泥跳ねなどで服を汚すこともないというわけだ。
キャビンは魅力的で精巧な仕上がりではあるが、それほど広くはない。天井辺りからカーペットの手前まで高価なレザーが張り込まれ、シートなどの目に付くところにはウイングチップの革靴のようなパターンが施されている。ドアポケットの底まで皮張りという徹底ぶりだ。
後席には前席と同等の広さがあると、アストンは自慢げだ。また、ドライビングポジションは、男女比95:5という彼らの顧客を満足させるスペースを得られるという。しかしわれわれは、前席の座面が期待したより高く、ウインドウ上部が目線の近くへ迫るように感じるドライバーもいるだろうと考える。ヘッドルームは前後とも、身長190cmを超えると頭上ギリギリだ。
後席は3座だが、大人3人では窮屈だろう。4人乗りだと考えれば、平均的な体格の大人が快適に過ごせて使いやすいクルマだ。かつて4ドアのラピードは、それを目指しながら果たせなかった。
荷室はかなりの奥行きと幅があり、荷物の固定デバイスを設置するなど機能的。後席は40:20:40の分割可倒式だ。