【ミュンヘンのオープン・スポーツ】BMW Z 全モデルを振り返る 30年以上の歴史
公開 : 2020.11.15 05:50
BMW Z3クーペ
Zモデルはすべてオープンカーというわけではない。Z3クーペは基本的にはオープントップモデルと同じで、ルーフが開かない分、ボディ剛性は高かった。だが、その外観は誰もが賞賛するものではなかった。
Z3クーペは「霊柩車」、「ブレッドバン(パンのようなバン)」、「ピエロの靴」などと様々な呼び方をされていた。
BMW Z3 Mロードスター&Mクーペ
BMWのパフォーマンス部門「M」が開発したZ3の高性能バージョンは1997年に発売された。
その後の5年間は複数の3.2L 6気筒エンジンが使用されたが、その中でも最もパワフルなものは324psを発揮した。このパワーにどれだけ対応できたのか疑問もあったが、Z3のパワー不足に対する当初の不満は間違いなく払拭された。
BMW Z4(2002年~2008年)
スパータンバーグ工場のみで生産された初代Z4は、コンセプトはZ3と似ているが、かなりモダンな印象を受けた。ボディスタイルは従来通りクーペとロードスターが用意された。
2.0Lの4気筒エンジンも用意されたが、ほとんどのモデルは2.5Lまたは3.0Lの6気筒で、最高出力は265psであった。また、2006年から2008年に販売されていたMモデルも忘れてはいけない。
BMW Z4 Mロードスター&Mクーペ
MモデルはS54 3.2L 6気筒エンジンを搭載。後期型の場合、最高出力は2000~2006年のM3と同じ348psに達していた。
これは次世代に至るまでZ4の中で最高のパワーを誇るモデルとなった。
コンセプトクーペ ・ミッレミリア
Z4 Mクーペをベースにしたワンオフモデルが2006年に発表された。コンセプトクーペ・ミッレミリアだ。
イタリアが第2次世界大戦に参戦する2か月前の1940年4月に、フシュケ・フォン・ハンシュタイン(1911-1996)が流線型のBMW 328でイタリア北部のロードレースで優勝したことにちなんで名付けられた。
ベースのZ4よりも長く、広く、低くなったミッレミリアは、2006年のミッレミリア・レトロスペクティブでデビューした。ボディパネルはカーボンと強化樹脂製で、ヘッドライトはフラットなLEDユニットだった。
BMW Z4(2009年~2016年)
2代目Z4は、Z1以来、米国ではなくドイツで生産された最初のモデルである。生産はすべてレーゲンスブルクで行われ、米スパータンブルクの工場はSUVのみの生産に専念し、現在までに年間45万台を生産している。
また、エクステリアはジュリアン・ブラシ、インテリアはナディア・アルナウトの2人の女性がデザインを担当した初のBMWでもある。