【ミュンヘンのオープン・スポーツ】BMW Z 全モデルを振り返る 30年以上の歴史
公開 : 2020.11.15 05:50
Z4に訪れた変化
Z3に始まったクーペとロードスターの組み合わせの伝統は、2台目Z4で終わりを告げた。当時の流行と顧客の要望に応えて、電動格納式ルーフを備えたクーペ・コンバーチブルとなった。
Mモデルも存在しなかった。最もパワフルなエンジンは1シリーズMクーペにも搭載されたN54で、340psを発生するが、先代Mモデルの348psには届かなかった。
BMW Z4(2019年~)
Z4の現行モデルは2019年に発売された。クーペ・コンバーチブルに対する世間の熱狂的な関心は薄れ、格納式のファブリックルーフを採用している。
プラットフォームは今日の後輪駆動モデルのほとんどと共有し、2.0L 4気筒と3.0L 6気筒エンジンにはターボチャージャーが搭載されている。米国を含むいくつかの市場で販売されている3.0Lエンジンは、最高出力387psを発揮するとされ、Z4史上最もパワフルだ。
日本のいとこ、トヨタGRスープラ
20年近くの歳月を経て、トヨタは「スープラ」の名を復活させた。オーストリアのグラーツにあるマグナ・シュタイヤーの同じ生産ラインで製造される新型Z4とは非常に密接な関係にある。
エクステリアデザインは大きく異なるものの、BMWのプラットフォーム、インテリア、エンジンが採用されている。
トヨタとBMWのコラボについては、評論家からは賛否両論の声が上がったが、これは自動車業界では珍しくない。スポーツカー市場はもはや、1つのモデルに対し大規模な投資をするほどの規模ではないというのが実情だ。
BMW Z07
Z07はBMW 507へのオマージュである。1950年代のスピリットを複製するのではなく、21世紀のデザインで再定義したものだ。最も注目すべき特徴は、507にはなかった「ダブル・バブル」ルーフである。
2007年の東京モーターショーで発表されたZ07は、BMW M5と同じ4.9L V8エンジンを搭載していた。このモデルはあくまでもコンセプトカーであったが、実際に購入できる新たなZモデルを生み出すことになった。
BMW Z8
Z07をベースにしたZ8は、400psのエンジンをM5と共有するなど、コンセプトに非常に忠実なモデルであった。主な変更点は、Z07で賞賛されていたダブル・バブルのハードトップを廃止し、折りたたみ式のファブリックルーフを採用したことである。
Z8は2000年から2003年まで販売された。1999年の映画『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』に登場したことで、かなりの宣伝効果があった。
スポーツカーというよりグランドツアラーであり、発売当時には賞賛を得られなかったが、近年では評価・価格とともに上昇している。