【スズキ最強SUVはPHEV】スズキ・アクロスへ英国試乗 トヨタRAV4のOEM 306ps
公開 : 2020.11.19 10:20 更新 : 2021.07.27 14:51
スペック以上に滑らかで力強い
ドライブモードの1つに、バッテリー充電モードがある。走行時に電気モーターを使わず、減速時などの回生ブレーキで18.1kWhのバッテリーを充電してくれる。自宅に充電器を設置せずとも、電気を蓄えることは可能だ。
ただし、毎日の通勤でEVモードを利用したり、週末の遠出をエンジンに極力頼らずに楽しむなら、自宅での充電は不可欠。最短2.5時間で満充電にできる。
アクロスPHEVの電動パワートレインは、運転時のバランスを考えると理想的な構成に思える。停止状態からの加速は、スペック以上に滑らかで力強い。
EVモードでの最高速度135km/hに迫っても、風切り音やロードノイズに悩まされることもない。74kmというEVモードでの航続距離も、現実的なもののようだ。
一方、トヨタ製のハイブリッドでありがちだが、CVTの印象はあまり良くない。ほかのシステムが洗練されているだけに、残念ではある。
ハイブリッド・モードで運転していて、エンジンへ途中でバトンタッチしても、気づかないほどにシームレス。しかし、CVTが高回転域に保とうとする場面で、エンジンの存在を教えてしまう。
コーナリングでは、2t近くある車重を実感する。低い位置にバッテリーが搭載されていても、重さは隠しきれない。そのかわり、街なかでの乗り心地は充分に滑らか。時折、重さからか大きめの振動が出ることはあった。
荷室容量は充分に大きい。リアシートの空間も広く、小物入れにも事欠かない。とても実用的だ。
動的性能も乗り心地も、全般的に好感触
4万5999ポンド(620万円)で300ps以上のスズキ製モデル、ということに抵抗がなければ、スズキ・アクロスを購入してガッカリ、ということはないだろう。動的性能は煮詰められていて、乗り心地も良い。
ドライビング体験は、全般的に好感触。EVモードでの航続距離74kmも、PHEVのライバルSUVを大きく凌ぐ。
インテリアデザインは刺激には欠けるが、ランドローバー・ディスカバリー・スポーツP300eなど、同価格帯のPHEVにも並ぶ、価格を正当化できるだけの豪華さは備えている。しかもパワフルさは、このセグメントへの期待以上だ。
スズキによれば、2020年の販売台数は非常に限定的だとしている。もし興味があるのなら、急いだ方が良いだろう。
アクロスの試乗から、トヨタRAV4 PHEVも同様に優れていることは予想できる。仮にスズキ・アクロスを逃したとしても、トリム・グレード次第では、英国ではより安価に手に入れられる可能性もある。
スズキ・アクロスPHEV(英国仕様)のスペック
価格:4万5999ポンド(620万円)
全長:4635mm
全幅:1855mm
全高:1690mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:6.0秒
燃費:99.8km/L
航続距離:74km
CO2排出量:22g/km
乾燥重量:−
パワートレイン:直列4気筒2.5L+ツイン電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:306ps(システム総合)
最大トルク:−
ギアボックス:CVT