【詳細データテスト】アルピナB3ツーリング 圧倒的なパフォーマンス パフォーマンスカーでは異例の快適性 アルピナの最高傑作

公開 : 2020.11.14 11:50

内装 ★★★★★★★★★☆

BMWアルピナに、エクセレントなキャンバスを与えた。ブーフローエでは、そこへわずかに手を加えたのみだ。B3におけるもっともわかりやすいのは、このうえなくしなやかな、ラヴァリナレザーを採用したこと。塩漬けにせずなめすバイエルン産の皮革だ。ステアリングリムとエアバッグのカバーには、ステッチが入っている。

それだけでも運転環境に華やかさが加わるのだが、オプションのシフトパドルも装着すれば、操縦系の手触りにリッチさが増す。これはアルミ素材をCNC加工したもので、旧型B4 S エディション99ではじめて導入されたアイテムだ。

アルミのシフトパドルは、アルピナの伝統からは逸れるものだが、奇妙なシフトスイッチより好ましい。280ポンド(約3.9万円)のオプションだが、ラブリーなフィールで、愛着を深めてくれるアイテムだ。
アルミのシフトパドルは、アルピナの伝統からは逸れるものだが、奇妙なシフトスイッチより好ましい。280ポンド(約3.9万円)のオプションだが、ラブリーなフィールで、愛着を深めてくれるアイテムだ。    MAX EDLESTON

BMWのライブコクピット・プロフェッショナルも、アルピナ仕様にお色直し。ブルーの盤面にグリーンのハイライトが入る魅力的なルックスだが、青いパネルに鮮明なオレンジの指針が躍る伝統的なアナログメーターが過去のものとなったのを嘆くテスターもいた。

好みと予算に応じて、インテリアはさらに手を入れることができる。標準仕様は、アルカンターラと人工皮革のセンサテックで覆われ、サポート性に優れるBMWの新世代スポーツシートを装備する。その上にはヴァーナスカレザー仕様が用意されるが、テスト車はさらに上級のメリノレザーが張られていた。これは1900ポンド(約26.6万円)のオプションだ。

まだまだ懐具合に余裕があれば、ダッシュボードをメリノレザー張りにすることもできる。そうなれば、室内の雰囲気は3シリーズより7シリーズに近づく。室内すべてをラヴァリナレザーで覆うメニューも準備されているが、それを叶えるには桁違いの予算が必要。それだけに、これは普通なら上位ラインナップのB5ビターボや、フラッグシップサルーンのB7の領分だ。

ハードなパネルはピアノブラック仕上げだが、追加費用なしでアルミに変更することもできる。ウッドパネルがお好みなら、オークやメープル、アッシュなどのバリエーションが揃っている。

標準装備の内容は、先代モデルと同様に充実している。それでも、有償オプションには便利なものも少なくない。われわれとしては、5000ポンド(約70万円)ほどはアイテム追加の予算を計上したいところだ。そうすれば、忘れられないくらい豪華なクルマに仕立てられる。

実用面では、ラゲッジルームが特筆に値する。後席はスイッチひとつでフォールドでき、最大容量は1510Lに達する。これはメルセデスやアウディはもちろん、ワゴンの大家ともいうべきボルボが擁する競合モデルさえも凌ぐサイズだ。

これ以上の積載性を望むなら、格上のB5ビターボ・ツーリングやアウディRS6、メルセデスAMG E 63ステーションワゴンなどへアップグレードしなければならないレベルにあるB3ツーリング。同じことは、パフォーマンスにもいえるのだが、それはまた次の項で。

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