【歴史的な傑作】トヨタGRヤリス試乗 海外の評価は? 専用3ドアボディに260ps+四輪駆動 前編
公開 : 2020.11.18 10:20 更新 : 2021.03.05 18:45
専用シャシーに新開発の四輪駆動システム
シャシーは、トヨタのGA-BとGA-Cプラットフォームが組み合わされた、ユニークなもの。要所要所で補強もされている。
アルミニウムやカーボンファイバー・コンポジットという軽量素材が用いられ、サスペンションは四輪ともに独立懸架式。エアロダイナミクスは、トヨタWRCチームのエンジニアに協力を仰いで、開発されている。
エンジンは、世界の量産3気筒の中で最もパワフル。トランスミッションは6速マニュアルだ。
四輪駆動システムは、20年ぶりにトヨタ独自で開発されたという。リア寄りのトルク分配が基本で、必要に応じて前後の配分割合が可変する電子制御クラッチのトルセン式。こんなワクワクするような内容のホットハッチは、最近目にしたことがない。
事実、ドライビング体験も、内容どおりエキサイティングだった。トヨタが意識していたかどうかはわからないが、歴史に残るパフォーマンスモデルが誕生した。
少し昔は、公道でスリリングなドライビング体験を得られる手頃なパフォーマンスモデルが存在していた。ランチア・デルタ・インテグラーレやスバル・インプレッサWRX、三菱ランサー・エボリューションなど。
天候や路面状況に左右されない、操縦安定性とトラクションを備え、強烈な中回転域でのパフォーマンスが楽しめた。ブランドや安価な価格さえ、誇らしい気持ちにさせてくれたものだ。
トヨタGRヤリスは、それらの現代版ではない。しかし、今までのトヨタになかったほどイイ。
この続きは後編にて。