【初のル・マン総合優勝を記念】ポルシェ917リビング・レジェンド(2013年) ミュージアム所蔵モデル公開
公開 : 2020.11.22 14:01
ポルシェ・ミュージアムが所蔵する、コンセプトモデルやデザイン案が公開されました。ポルシェがLMP1復活を記念して作られたのが、初のル・マン総合優勝車、917をオマージュしたコンセプトカー。917リビング・レジェンドです。
ポルシェ初のル・マン総合優勝
ポルシェはこれまで、ル・マン24時間レースを19度も優勝している。その歴史の中でも、赤と白に塗り分けられたポルシェ917 KHは、とても特別なモデルといえる。
1970年の夏に、ハンス・ヘルマンとリチャード・アトウッドがドライブ。サルテ・サーキットで、ポルシェ初の総合優勝を獲得したマシンだからだ。
2013年にポルシェは、LMP1の復活を果たす。それを記念し、デザインチームはポルシェ917を現代的に解釈し直したマシンを生みだすことにした。リビング・レジェンドをよみがえらせることを目的に、実寸大のクレイモデル(工業用粘土によるデザインスタディ)が作られた。
「歴史的なつながりを持つ、新しいスーパースポーツカーとして、917との結びつきを明確にするデザインが求められました」。とポルシェのデザイナー、ミヒャエル・マウアーは説明する。
ホイールアーチの間に、路面に近く座る感覚
ドライブトレインやシャシー周りは、ポルシェ918スパイダーのコンポーネント利用を想定。917リビング・レジェンドでは、ホイールアーチが大きく膨らみ、1970年の優勝マシンを想起させるスタイリングが特徴となる。
コクピットは前方に移動し、リアエンドが長く伸びる。ボディはもちろん、赤と白のストライプで塗られた。
ミヒャエル・マウアーがデザインの特徴とするのは、フェンダーライン。「ポルシェ906から918まで、ポルシェのスーパースポーツカーは、大きく膨らむホイールアーチの間に、路面へ近い位置に座る感覚で共通しています。それを強調したいと考えました」
このポルシェ917リビング・レジェンドはポルシェ917の誕生50周年を記念し、2019年にドイツのポルシェ・ミュージアムで展示された。