【ブランド初の純EVへ展開】ポルシェ・ビジョン・ツーリスモ(2016年) ミュージアム所蔵モデル公開
公開 : 2020.11.22 12:01
ポルシェ・ミュージアムが所蔵する、コンセプトモデルやデザイン案が公開されました。その中でポルシェ・タイカンへ展開したのが、ポルシェ・ビジョン・ツーリスモ。そのデザインは、4シーターのスーパー・スポーツが始まりでした。
偶然生まれた4シーターのスーパースポーツ
すべての量産モデルが、計画通り順調にデザイン開発プロセスを経るわけではない。時には偶然との出会いや、予期しない結果が導かれることもある。少しの遠回りを重ねて、デザイナーは最終型へと導いていく。
ポルシェとしては初めてとなる、純EVの量産スポーツカー、ポルシェ・タイカンのデザインも、誤解から誕生したものだという。「あるときデザインスタジオを歩いていると、デザイナーが描いたポルシェ918のドローイングを目にしたんです」
「なだらかにカーブする輪郭線を強調するように、フェルトペンで線が引直されていました」。と、ポルシェのデザイナー、ミヒャエル・マウアーが振り返る。「わたしの角度からは、リアドアが付いていたように見えたんです。驚きました」
4シーターのスーパー・スポーツカーというアイデアが誕生した瞬間だった。
純EVのパワートレインでベターに実現
次の課題は、スポーティなプロポーションを実現するため、ピッタリのドライブシステムは何かということ。エキサイティングなデザインだが、ミドシップは可能か?フル4シーターのポルシェ911とすべく、伝統のリアエンジン・レイアウトを選択するべきか?
「プロポーションの課題と、電気自動車という話題の出現とが重なりました。純EVのパワートレインを選ぶことで、アイデアをベターに実現できると気付いたのです」と、マウアーは話す。
ポルシェ・タイカンの初期のデザインは、4シーターのスーパー・スポーツカーから展開したということになる。
ポルシェ・ビジョン・ツーリスモでは、スタイリングの新しいトレンドも盛り込まれている。ポルシェのロゴがあしらわれた左右に連続するテールライトは、ブランド・アイデンティティを示す要素として採用された。
今では、多くのポルシェ製モデルで見られるデザイン要素になっている。フロントライト回りのデザインも、純EVとして新しいアイデンティの構築に結びついている。