【電動でオープン・ドライブも】フェラーリSF90スパイダー PHEVの新型オープン・モデル登場
公開 : 2020.11.13 14:50 更新 : 2021.07.27 14:51
SF90スパイダー 内装
SF90スパイダーには、車内にも2つの空力エレメントが特別に備わる。
ドライバーと同乗者のシートの間にあるトリムは、頭と肩から気流を引き離す。そしてセンタートンネル上部の2層構造によってトリム内部に送り込む仕掛けだ。
いずれも実質的にドラッグに影響をおよぼさず、フェラーリの他のミド・エンジン・スパイダーと同じレベルの快適性を保証した。
インターフェイスは、SF90ストラダーレで飛躍を遂げた新世代のものを採用。
計器類は大部分がデジタルとなり、パワーオフ時はスクリーンが黒一色に。ひとたびエンジン・スタートボタンが押されると、一種の“セレモニー”が始まり、ドライバー側のデジタル・コンポーネントが徐々に点灯して、ついには全体が輝く。
中央のインストゥルメント・クラスターは、1枚の16インチHDスクリーンで構成。ドライバーに向かって湾曲しているので読み取りやすい。デフォルトの表示は、大きな円形のレブ・カウンターが中央を占め、これをバッテリーの充電インジケーターが縁取る。
その横は、片方がカーナビ機能、もう片方がオーディオの操作画面。ナビゲーションの地図をフルスクリーン・バージョンに切り換えることも可能だ。
従来モデルの特徴であったF1ブリッジが、センタートンネルから姿を消したのもニュース。代わってマニュアル・シフトゲートの現代版が配されている。
新シフトゲートはATにふさわしいデジタル式。
センタートンネルには、新しいイグニッション・キーを収めるコンパートメントも備わる。このキーは、キーレス・モードで機能することに加え、ボンネットを飾る跳ね馬のバッジの正確なレプリカになっている。
SF90スパイダー パワートレイン
SF90スパイダーのパワートレインは、エンジンと3基のモーターで構成されるプラグイン・ハイブリッド・システムだ。
フロントには、RAC-e(コーナリング・アングル・レギュレーター-エレクトリック)システムの一部である2基のモーターを装備。
リア・モーターは、跳ね馬のF1マシンから名付けられたMGUK(モーター・ジェネレーター・ユニット・キネティック)を搭載。
具体的には、V8ターボ・エンジン、E-diffを備える8速DCT、電気のみの走行も可能な2基のモーターを備えるRAC-e電動フロントアクスル、エンジンとギアボックスの間に搭載されたMGUKモーター、高電圧バッテリー、電気モーター制御システム(インバーター)という構成だ。
V8エンジンは最高出力780ps。内燃エンジンと電気モーターの合計最高出力は1000psに達する。
パワーデリバリーは、アクセルペダルのインプットを、エンジン制御/ハイブリッド制御システムが処理。次のようなモードで出力を発揮する。
・電動:フロントアクスルが駆動(FWD)
・ハイブリッド:エンジンとMGUKが駆動(RWD)
・4WDハイブリッド:フロントはオンデマンドで稼働。コーナー立ち上がりで必要に応じてトラクションを発生、リフトオフとブレーキング時にはエネルギーを回生。
一方でバッテリーの充電(エネルギー回生)は3つのストラテジーで機能する。
・回生ブレーキ:ABSオンのブレーキング時、前後アクスルで稼働
・オーバーブレーキ:アクセルオフ時に前後アクスルで稼働。フロントは左右個別に管理
・ICEリチャージ:リアのMGUKモーターとICEとの負荷点シフトによってバッテリーを充電
通常のブレーキングでは、モーターを使用したエネルギー回生が優先され、急激な減速では、油圧ブレーキ・システムが介入して電気による制動をサポートする。