【クラウン生産終了!?】トヨタ・クラウン、そんなに売れていない? 過去モデル販売比較 「失敗作」と言えぬワケ
公開 : 2020.11.17 05:50 更新 : 2021.10.09 23:42
トヨタ・クラウン・セダン生産終了で調整、というニュースが話題に。そんなに売れていないのか、過去モデル販売台数を比較。方向転換で好転した例も。
クラウン、そんなに売れていない?
先だって「クラウン・セダン生産終了で調整 トヨタ、22年に新型投入」との驚きのニュースが、トヨタのお膝元である中日新聞から発せられた。正確に言えば、クラウンそのものがなくなるのではなく、「セダンではなく、スポーツタイプ多目的車(SUV)に似た車形の新型車として2022年に投入する方向」と言う内容だ。セダンではなくSUVに似た車形、つまりはクロスオーバーになるということだろう。
ここで気になるのは、現行のクラウンは、それほどまでに売れていないのだろうか。歴代モデルと比較して、その売れ行きの是非を考察してみたい。
まず、現行型クラウンの登場は、2018年6月。ほんの2年ほど前のことだ。発売後1か月で約3万台の受注を獲得。「月販目標(4500台)の約7倍の好調の立ち上がり」とトヨタは発表している。
そして、2018年を通しての販売台数は5万324台。先代モデルを発売していた2018年1~6月の販売が1万2344台だったことを考えると、新型が登場してからの年の後半で3万7980台を売ったことになる。
前半戦の2倍以上で、1か月あたりでは約6300台。4500台という月販目標をクリアしている。
そして、翌2019年の販売は3万6125台。1か月あたりは約3000台で、残念ながら当初の月販目標を、さっそく下回ってしまった。
しかし、本年(2020年)1~6月は1万1826台。コロナ禍と言うことを考えれば、半年で前年の3分の1を達成したという数字は、それほど落ち込んだとは言えないだろう。
各世代 販売台数を振り返ってみた
2020年前半戦の売り上げの数字を見る限り、2020年を通しての現行クラウンの販売は、3万台を超えることは難しいのではないだろうか。
下手をすると過去最悪の数字になるかもしれない。
しかし、今年は、コロナ禍という特別な理由がある。今年だけの数字で判断するのは、早計だろう。
では、昨年のデビュー翌年で年間約3万6000台という数字は、過去のモデルと比較するとどうなのであろうか。
そこで過去30年ほど遡り、6世代分のクラウンのデビュー翌年の年間販売台数をチェックしてみた。それが次の数字だ。
1991年登場の9代目クラウン 1992年の年間販売台数
15万5744台
1995年登場の10代目クラウン 1996年の年間販売台数
13万7676台
1999年登場の11代目クラウン 2000年の年間販売台数
10万1000台
2003年登場の12代目クラウン 2004年の年間販売台数
11万6614台
2008年登場の13代目クラウン 2009年の年間販売台数
4万0216台
2012年登場の14代目クラウン 2013年の年間販売台数
8万2701台
残念ながら世代を重ねるごとに販売台数が落ちているのが、クラウンの置かれている状況だ。
ちなみに数字を挽回している12代目は通称「ゼロクラウン」と呼ばれるモデルで、先代の14代目は大胆なグリルデザインとピンクのボディカラーが話題になったモデルだ。
そして、過去30年、6世代の歴史を振り返れば、デビュー2年目で3万6000台という現行モデルの数字は、残念ながら30年中最悪となっているのだ。