【PHEVのエレガント・ワゴン】フォルクスワーゲン・アルテオン・シューティングブレークへ試乗

公開 : 2020.11.20 10:20  更新 : 2021.07.27 14:51

印象的な力強さと信頼感の高いハンドリング

強めのアクセル入力をするか、タッチモニターで選び直せばハイブリッド・モードになり、エンジンが滑らかに目を覚ます。電気モーターからエンジンへのバトンタッチは、完全にシームレスというわけではないものの、2つが組み合わさった力強さには感心する。

最大トルクは40.7kg-mまで高まり、活発さを強めるだけでなく、ハーフスロットル時にはとても安楽な走行も許してくれる。エンジンと車内との隔離性も高く、モーターの滑らかさや洗練性を邪魔することもない。

フォルクスワーゲン・アルテオン・シューティングブレーク1.4 TSI eハイブリッド DSG Rライン(欧州仕様)
フォルクスワーゲンアルテオン・シューティングブレーク1.4 TSI eハイブリッド DSG Rライン(欧州仕様)

GTEモードは、ハイブリッド・モード以上のパワーが得られるわけではなく、最高速度が高くなることもない。しかしエンジンは停止しなくなり、トランスミッションもフリーな状態にはならない。レスポンスは鋭くなる。

アルテオン・ファストバックでeハイブリッドを選ぶと、車重は1734kg。かなりの重量増になっているが、運転は楽しい。

可変レシオのステアリングは、操舵感が軽く極めて正確。切り始めからとても良い反応が得られる。街なかでの運転も難しいところはない。フィードバックや感触は、豊富ではないけれど。

速度域が上がると、ステアリングはダイレクト感が増すものの、軽いまま。アダプティブダンパーを引き締めることで、コーナーでの姿勢をタイトに保ってくれる。ボディロールの発生も漸進的だ。

グリップもトラクションも優秀で、ハンドリングは信頼感が高い。ガソリンと電気が生むエネルギーを同時に活用しながら、ハイペースのまま確実に先を急いでくれる。

リアシートと荷室に生まれる空間の余裕

試乗車はオプションの19インチ・ホイールに扁平タイヤを履いていたが、乗り心地に良い影響はないだろう。低速域では落ち着きなく、路面の凹凸の揺れをドライバーへ届けてしまう。速度域が上がればしなやかさが増し、乗り心地は良くなる。

フェイスリフトに伴い、インテリアもアップデートされている。タッチセンサーを備える、新デザインのレザー巻きステアリングホイールを獲得。素材は上質になり、メーターパネルは最新のモニター・タイプに。

フォルクスワーゲン・アルテオン・シューティングブレーク1.4 TSI eハイブリッド DSG Rライン(欧州仕様)
フォルクスワーゲン・アルテオン・シューティングブレーク1.4 TSI eハイブリッド DSG Rライン(欧州仕様)

エアコンの操作系も、デジタルなものに一新された。人間工学的にもよく設計され、運転環境として好印象。知覚品質も高水準といえる。

ファストバックと比較して、シューティングブレークの強みの1つが、長いルーフが生む空間的な余裕。リアシート側では、頭上空間が48mmも高くなっている。

荷室容量も、110L大きくなる。しかしeハイブリッドの場合、バッテリーの搭載により、追加の荷室容量が食われてしまう。リアシートを畳めば、1497Lに広げられるが。

車内空間でアドバンテージを与えてくれる、シューティングブレーク。動的性能には、ほとんど影響はない。

滑らかに続くルーフラインを気に入り、EVモードでの走行にも魅力を感じるなら、アルテオン・シューティングブレーク eハイブリッドは検討すべき1台だ。もちろん、ファストバックより広い荷室も付いてくる。

フォルクスワーゲン・アルテオン・シューティングブレーク1.4 TSI eハイブリッド DSG Rライン(欧州仕様)のスペック

価格:4万1485ポンド(560万円)
全長:4866mm
全幅:1871mm
全高:1447mm
最高速度:222km/h
0-100km/h加速:7.9秒
燃費:90.9km/L
航続距離:53km
CO2排出量:25g/km
乾燥重量:−
パワートレイン:直列4気筒1395ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:221ps/5000-6000rpm(システム総合)
最大トルク:40.7kg-m(システム総合)
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

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