【F1チャンプが駆ったGTA】アルファ・ロメオ・ジュリア・スプリントGTA 1966年の姿を復元 前編
公開 : 2020.11.29 07:25 更新 : 2020.12.08 08:18
インリフトの派手なコーナリング
「GTAの運転は、予想しやすいものでした。サイレンサーのないマフラーで、ドライバー側のドア下は騒がしく、クルマはピーキー。変速ミスやドリフトしたり、エンジンの回転数が落ちると、うまく走れません」
ベイリーによれば、アウトデルタの1600GTAはすべて左ハンドルだったらしい。イタリア人ドライバーに合わせるために。だが、バランス的には良くなかったという。
「燃料タンクやマフラー、バッテリーなど、重さのあるものは左側に寄っていました。サーキットは時計回りが多く、コーナーでは不利になりやすい。当時の写真を見てもそうです」
初期のGTAは、それを克服するため特別なドライビングスキルが求められた。才能あふれるドライバーのアンドレア・デ・アダミッチたちには、問題ではなかったのだろう。
ベイリーが振り返る。「右コーナーでの作法は、いつも同じ。コーナーで向きを変え、内側のタイヤ1本を宙に浮かせる。そしてカウンターステアを当てて、イン側のタイヤ2本とも浮かせるんです」
「常に運転は必死。ターンイン初期にアンダーステアが出て、その後立ち直ると、今度はテールがスライドし始めます」。アルファ・ロメオGTAのドライブは、初期のモデルのアルミニウム製フロアがねじれることで、余計に複雑になった。
この続きは後編にて。